今回は少し辛辣なお話です。
働く現場が常に人手不足ということもありますし、定年になる社員さんの貢献を評価して国の方針でもある定年再雇用はかなり定着してきていると思います。
しかしいろいろなトラブルがあるようで、なかなかうまくいかないというご相談をいただいております。
それに対する簡単な回答をご用意いたしました。
定年再雇用で会社に来てみると邪魔がられるのは?
さてこの定年再雇用です。
定年再雇用の社員さんからしてみると、せっかく会社に来ているのに邪魔がられてると結構つらい話ですね。
そうはいっても以前の部下たちからすると、その逆で定年再雇用で来てもらうのは良いが、元々の上下関係を引きずりながら世話を焼かれる。
「俺が教えてやる」と若い社員さんに対して執拗に教えようとする。
これはみなさんに嫌がられて当然だと思います。
特に女性社員の方は定年間近の人とは異なる文化で生きてきています。
昔であれば許されたような発言も、今ではパワハラだったりセクハラとして扱われることもあります。
そして会社の中で言わなくていいプライベートの話をボロボロ喋ってしまう。
それが率直に言って今の時代と合わない。
定年再雇用になってしまって、いろいろ思うところもあると思います。
しかし上司の悪口を部下に言ったり、全然関係のない競馬だったり、普通の趣味の話などの無駄話をやたら口走ってしまう。
注目度が落ちている反動かもしれませんが、定年再雇用の社員さんによる不注意な発言によって職場の環境が悪くなってしまうという苦情が割と多く聞かれます。
つらいところですが、なぜこういうことが起きてしまうのでしょう?
定年を過ぎて会社に来るとモチベーションがゼロになり邪魔がられる理由
定年退職の社員さんが再雇用で会社に来てみるとモチベーションがゼロになる。
その結果邪魔がられる。
この仕組みについて簡単にお話ししたいと思います。
元々はある程度責任があって役割を背負ってる方が定年再雇用されると思うのですが、役職から離れると同時に責任がなくなり少し気楽になる。
開放感がすごくあるという面がまず第一にあります。
それと同時に再雇用なので当然収入が激減します。
他には、今までの役職についてきた部下たち。
そういう社員たちは当然新しい上司の元に行くわけですから、目の前から人が去っていきます。
そうすると寂しくなるという面がもう一つ。
この両方の面がある場合、周りから見るとモチベーションが低下しているように感じるのです。
しかし実は重要なのは「モチベーションのゼロ化」です。
ここがやはり当事者にしかわからないと思います。
私も100%理解しているわけではないと思います。
モチベーション「低下」ではなくて、モチベーション「ゼロ」化。
「会社に行くことだけに意義がある」という状況にどうしても陥りがちなので、定年再雇用の場合はまずこの部分を改善するべきなのです。
周りの一緒に働く方や雇う側も、特にそのあたりを理解する必要があるのではないでしょうか。
定年すぎた人は邪魔?会社が使えないと烙印を押す前にするべきこと
定年過ぎた人が正直邪魔かどうか?
会社が「使えない奴だ」と烙印を押す前に為すべきこととして、会社側がある程度用意さえしておけばこういう問題はなかなか起きにくいのではないかという事があります。
そのためにはまず、定年前から働き方を徐々に変えていくということ。
ここが重要なポイントです。
多くの会社では定年のその日まで責任ある重要なポストで采配を振り、最後は見送っていただいて再雇用という流れのところがほとんどでしょう。
しかしこの流れによってモチベーションゼロ化が起きてしまい、いろいろと周りに迷惑がかかってお互いにやりにくくなるということになってしまうのです。
できれば定年より数年前の段階で「定年再雇用がもし叶った場合の働き方」という形に徐々にシフトしていくという働き方が理想的です。
よくあるのは高度成長期の時代に現場で頑張ってきた人がある程度落ち着かれて重要なポストに就いていく。
現場のプレイヤーだった人がマネージャーに変わっていき、いろいろな責任を負いながら定年を迎えていく。
定年を迎える前に、もともと現場の仕事が好きだと思うので、最後にもう一度現場の仕事に少しずつ戻っていただく。
そうすると定年を迎えてから再雇用後、割とすんなりキャリアの移行がしやすいというのはよく言われています。
人が足りないから等いろいろな理由で、重要なポジションを定年ギリギリまで背負っていただいたり、あるいは定年再雇用も仕事を知ってる人が必要だからということで再雇用されることが多いと思います。
しかし定年再雇用の場合は、異なるポジションを与えるしかないです。
それまで重要なポストについていた上司が、ポジションはそのままに、定年を境に急に「バイトとして働きます」とこられても元々の人間関係があるので周りの人間も困ることが多いと思います。
再雇用されるご本人にとっても気持ちの切り替えが出来ず、気軽になりきれなかったり、いろいろな感情面のわだかまりが生まれてしまいます。
そのため再雇用の場合は、やはり違うポジションに回ってもらうという前提が必要ではないかと思います。
ここでミスをしている会社がとても多いです。
定年の社員さんが抜けられたポストの後任は、退職されると決まった瞬間に引き継ぎをするのではなく、定年前から徐々に引き継ぎをスタートさせておくべきです。
これは、定年前後でトラブルにならないための経営者側の責任ではないかと思います。
特に営業のトップで担当してる人だと定年のギリギリまで同じポジションに残っていたり、定年再雇用でも既存のお客様回りなどをお任せしたりするケースが文化的に多いと思います。
トラブルになっている原因は今回書いたような「モチベーションゼロ化」というものが結構多いと思いますので、そのあたりを踏まえて色々な対策を事前に考えていただければと思います。
最後に
リアルマーケティングマスタースクールでは、地元で頑張る中小企業のための問題解決をご提供しております。
無料のメールセミナー配信もしております。
「インフレを乗り切る!小さな会社のための値上げ戦略」についてお話しておりますので、興味がありましたらお申し込みいただければと思います。
こういった人事や経営に対する情報を色々UPしておりますのでご参考にしていただければ幸いです。
本日は以上です
「定年再雇用使えない?モチベーションない人は邪魔という意見も」の動画版はこちら。