その女性ならではの「妊娠報告」を受けた場合のお話です。
その場合はどうしたら良いのかというご相談がありましたので、今回はご回答という形で最後まで読んでご参考にしていただければ幸いです。
社員の妊娠を迷惑がる。それは完全にハラスメント。
よくご相談であるのですが、「女性社員さんが妊娠した」と迷惑そうに相談してくる方がいらっしゃいます。
私としては考えられないのですが、 迷惑そうに相談する意味が分かりません。
ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが先進国の中で、残念ながら日本は男女差別がダントツに多い国であると思います。
先ほどのように喜ばしい妊娠報告に対して迷惑そうにするなんて、発想そのものが完全にハラスメントなので、考え方を変えなければいけません。
妊娠したことが分かった女性社員さんは、当然報告に来てくれます。
その時に「いつまで働けるのか?」と男性の上司や社長さんが聞くわけですが、いつまで働けるのかまでは分かりません。
急に体調が悪くなるかもしれませんし、昨日まで元気だったのにお医者さんから「無理してはいけない」と言われるケースが当然あります。
人や状況によって、妊娠してからいつまで働くことが可能なのかは、それぞれです。
それは妊娠した人のせいではないので、「何を聞いているんだ!」というお話になります。
そんなことを聞いてはいけません。
責任を持たせたり、感じるようなことを言ってはいけません。
ハラスメント以前の問題です。
ヨーロッパの企業であればありえない話ですが、男女差別がダントツに多い日本ならではの社会であると感じます。
当然ですが、妊婦さんなので厳しい条件も要望も言い渡すのは駄目です。
「この時間まで働いてほしい」「ここぐらいの仕事はしてほしい」といった責任を負わせるような厳しい条件や要望は出してはいけません。
そういうところから考え方を変えていきます。
妊婦さんである社員に対して無条件であればOKです。
ヨーロッパのサッカーでは、サッカー選手のお嫁さんが出産される時はリーグ戦も当然休みます。
世の中そういうものなので、男性の上司や社長が「出産に立ち会わなかったから」と言って、男性の社員に対して出産に立ち会わせないように仕向けるのは完全に間違っています。
むしろ、出産に立ち会わない男性の上司や社長が間違っていると思っていただいた方が良いかもしれません。
当社では幹部社員が、全員女性なので実感としてよくわかるのですが、重要な戦力である女性社員が妊娠すると、会社としては戦力を失う、もしくは戦力が減少することになってしまいます。
その点に違いはありませんが、女性社員が妊娠するかもしれない、ということを見越してカバーするのが経営者です。
男性でも妊娠以外に会社で働けなくなる要因は沢山あります。
怪我や病気になってしまうことはもちろん、例えば「お嫁さんが妊娠している」「子供が生まれたので色々見てあげなければいけない」といったポジティブやネガティブな面も含めて様々あると思います。
それはお互い様なので、チームでカバーするのが会社であり、そのカバーしていく文化を提供していくのが経営者。
それが当たり前の社会なので忘れてはいけないと思います。
綺麗事ではありません。
それが会社としても経営者としても当たり前なのです。
妊娠した社員に代わってやってあげたい手続きとは?
妊娠・出産を応援してあげるのが会社としての役割なので、大事な社員だからこそ1年や2年経っても戻ってきやすい準備を早いうちにしてあげる行動が当然必要です。
その中で、得られる助成金であったり、労働法規も含めた休職関係の手続きであったり、代替えである人材の手配と教育であったりとやるべきことは沢山あります。
それを妊娠した社員さんに全て背負わせるのではなく、会社でフォローしてあげる。
「こういう制度があるよ」と教えてあげる。
逆に手続きも進めてあげる。
それが会社として当たり前の関係性です。
そういう関係性をしっかり築いてなければいけません。
そして、復帰後です。
妊娠・出産の1年間か1年半後、社員さんが抜けている間に代替えの社員が育ちます。
出産した社員さんが帰って来る。
その時に「あなたのポジション無くなっているよ」「代替えの人が来ているよ」という状態では駄目です。
1年経って新しいポストを用意出来るぐらい会社として成長してなければいけません。
私個人として考えると、妊娠・出産を迎える社員さんが1年間抜ける。
新しく代替えの社員が入る。
帰って来るまでに新たなポストを用意しておけるかどうかというのが会社として成長出来るチャンスだと思います。
そういうふうに前向きに捉えて準備をしておかなければいけません。
「ポストが足りないから困ったな……」と思いながらそういうふうに発想が向かう段階で、経営者はアウトだと思います。
少し厳しいですが、文化として理解し直して頂きたいと思っている部分です。
社員が妊娠したらお祝いするのが人の道。他に選択肢はないです。
人が妊娠・出産を迎える。
日本語で言えば、「オメデタ」と言われています。
おめでたいことを祝えない、と少しでも迷惑そうな顔をするのは、はっきり言って人間ではありません。
そうであれば、社会や企業としての在り方に重要な問題を感じます。
そういう会社は極端なことをいうと、社員に嫌われるかもしれません。
会社として無くて良いと思います。
言い過ぎかもしれませんが、それぐらい「迷惑だな」と思うこと自体、歯車の何かがおかしいと思っていただいた方が良いでしょう。
これは本音です。
経営者としてやることは、安心して出産したり、子育て出来るというようなサポート。
子供がある程度月齢が増えてくると、たくさん風邪も引きやすくなります。
インフルエンザにもなります。
急にお迎えへ行ってあげないといけないこともあります。
コロナも落ち着きかけている時期ですが、学校で陽性者が出たら急に「お迎えに来てください」といったようなことが当社でも当然あります。
そういう場合、「ルール曲げてでもサポートしてあげてください」ということで会社として当然子育てしている社員のサポートするわけです。
それが当たり前のことです。
それぐらい余剰を置いておかないと、経営は成り立ちません。
もしそういうことがあった時の為の準備が出来ていないのならば、経営者としてアウトです。
そういうサポートをしましょう。
さらに、男性配偶者です。
いわゆる「旦那さん、父親側」でしょうか。
仕事よりも育児・家事を優先出来る。
社員さんが父親で、母親であるお嫁さんのことを会社が把握していなくても、旦那さんが育児してあげられるように環境作りをしてあげることです。
会社で父親である社員さんご本人が育児に立ち会うコミットメントが低かったとしても、「会社で言われているから」ということでコミットメントを上げてもらう。
それぐらいの方が良いと思います。
「会社で言われているから、育児を率先してやらないとマズイ」という方が健全だと思います。
そう出来る会社作りにしておかないと、今後中小企業に優秀な人材が来なくなってしまいます。
その部分を優先して考えていただきたいと思います。
今回のお話は経営者として耳が痛いと思います。
「あなたの意見には賛同出来ない」
という方もいらっしゃると思います。
しかし、こういう会社にしていかなければ求める人材は来ません。
さらに、「妊婦さんに酷い仕打ちをした」としてネットに書かれたら、会社としての信頼を失ってしまいます。
求人関係としても信頼を失ってしまうので、これからよくよくご理解いただければと思います。
説教くさい話になりましたが、是非参考にしていただければと思います。
最後に
最後にリアルマーケティングマスタースクールでは、
地元で頑張る中小企業のための問題解決をご提供しております。
ご相談頂きましたら、
現状お困りの問題点から改善ポイントをお伝えさせていただきます。
無料オンライン相談も受け付けておりますので、
そちらの方も遠慮なくご利用ください。
詳しくはWebサイトの方をご覧いただければと思います。
今回のお話はこれで以上となります。
「社員が妊娠したら迷惑?各種手続きをしてお祝いできる上司になろう」の動画版はこちら。
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