男世帯の会社に女性の雇用は必要?採用するメリットと解決するべき課題について

働き方改革

製造業や建設業をされていて、社員が男性しかいないという会社さん。
少なくはないと思います。

そういった職場で「女性を雇用することに、はたして意味があるのか?」というご質問をいただくことがありましたので、今回はその件についてご説明したいと思います。

そもそも女性を雇用してメリットはあるの?


男性しかいない会社の方はどうも「女性は戦力にならない」と考えているようで、そもそも「女性を雇用することにメリットがあるのか?」というご質問をいただくことがあります。

男性社員がどんどん入ってくるから女性社員がいらないのかというと、求人自体は実際そこまでうまくいってるわけではないようです。
むしろ人材難が続いているにも関わらず、女性を雇用するという概念がそもそもない
そういう会社さんは結構あります。

この件に対する回答としては、求人を男性に限らず男女両方を対象にする
それだけでも求人の規模が2倍になるので、応募される確率も当然上がります
したがって、やらない手はないと思います。

他にも地方の場合の考え方です。
たとえば男性・女性の人口は大体同じぐらい。
その中には実力的に同レベルで優秀な人も、男女それぞれ同じぐらいの割合でいると思います。

しかし優秀な人というのは、高校卒業後に東京の大学に進学したり、卒業後もそのまま東京で就職することが多いかと思います。

実はこの東京へ行く人の割合ですが、国税調査の統計上は男性の方が多いです。
逆に言えば、女性の方が地方に残りやすい

そうなると男女で能力差がないものという前提で考えた場合、女性の方が優秀な人材に出会える確率が高いと言えるのではないでしょうか。

さらに終身雇用制度という概念について考えてみると、男性の方が終身雇用に守られているケースが多いですよね。
勤続年数を平均すると、明らかに男性の方が長い。

理由としては、結婚や出産を機に女性が退職してしまう。
あるいは旦那さんの転勤について行き、その地域からいなくなってしまうというケースがあるんですね。

逆に言えば、結婚後に女性が労働市場に戻ってきてくれることもあります。
あるいは出産後、子育てが一段落したタイミングで労働市場に帰ってきてくれることがあります。
そして旦那さんの転勤をきっかけに、別の地域で新しく労働力として活躍してくれることも少なくありません。

とくに新卒の場合は大手市場がどんどん採用していきます。
なので中小企業の場合であれば、例に出したような再就職を希望している女性に歩み寄るかたちで中途採用をすることが、求人を埋めるために有効ではないかと思います。
その選択肢を省いてしまっているようでは、企業経営を継続させることは厳しいかと思います。

付け加えるなら、中途採用に関して国からも補助金・助成金などさまざまなサポートを受けることができます
たとえば就職氷河期世代の女性を雇用、積極的な女性の役員登用など、いろいろな手厚い制度を利用できるメリットが大きいです。

男世帯の会社に女性は必要?

ここまでお話したうえで、なおも男世帯の会社さんに「女性の雇用が必要か」と聞かれることがあります。
今度は別の観点からご説明したいと思います。

まず「男性しか雇わない」という条件で考えた場合。
前述したような人口問題もありますし、そもそも求人自体で苦労されているところが少なくないと思います。

中には「有力な社員さんが抜けてしまったらお終いだ」という、ギリギリの状態でやっていらっしゃる男世帯の会社さんも結構ありますよね。

そもそも会社の将来性を考えた場合、そのギリギリの経営計画ははたして正しいと言えるのでしょうか。
そのままの経営状況で今後も続けていけるかどうかは、やはり疑問として大きいです。

そして、そういう会社で「女性を雇えない」理由というのは大抵「体力的に厳しいから」というものが多いです。

たとえば暑い夏でも寒い冬でも場所を問わず、ありとあらゆる場面で力仕事が必要。
そういう条件でやっているから女性には無理だと考えていらっしゃるケースがほとんどだと思います。

しかしその過酷な条件で求人を出したとして、はたして男性でさえ集まるのでしょうか。
国が出している白書などを見てもわかると思いますが、やはり体力的に厳しい会社さんにはどうしても人が集まらない傾向にあります。
外国人に頼らざるを得ない状況のところも少なくありません。

そういった業種実態を考えるとやはり、求人が厳しいのであればまず働きやすいように業務改革するべきではないかというのが私からの意見です。

そして女性採用が進めば、男性社員も負けていられないと対抗心を燃やす
そういったプラスの相乗効果もあると思います。
これが男性ばかりの場合、意外と頑張れない可能性があります。

女性採用に前向きでないということは、結果的にプラスの相乗効果を見捨てていることと同義ではないでしょうか。

女性を雇用したときの問題と解決方法

では実際に「女性の雇用を進める」となった場合の話です。
今まで女性を雇ったことがない人にとっては、当然将来の不安が問題になると思います。
そういった問題の解決方法について、簡単に振り返りたいと思います。

まず第一に、力仕事のある職場では「力のない女性は戦力にならないのでは」という考えについてです。
そもそも「女性に力がないから」と考える前に、最近は男性も非力な人が増えていることを理解しておいた方が良いでしょう。
男性でさえ戦力として心許ないのですから、力の強い女性を集めるなんて到底無理な話ですよね。

しかしそんなことを言っていたら、いつまで経っても人材は集まりません。
それなら力のいらない仕事に変えてしまった方が手っ取り早いです。

たとえば今ある設備では無理だとしても、新しい機械を導入する。
一人で何十キロの袋を運ばせるのではなく、荷物を小分けに分担して運ぶ。
小分けにできないものであれば台車を使うなど、働き方・工程管理を見直すことで、かなりの部分改善ができると思います。
設備機器もどんどん新しいものが出ています。

それに私も経営管理工学の知識が多少はあるので、町で他の工場さんを拝見したときに「ここのやり方間違ってるな」と思うときがよくあります。
そういうところを変えることによって、女性の製造業進出・建設業進出がうまくいっているケースもすごく多いです。

そして前述の離職問題についてですが、女性は結婚や子育てなどのタイミングで離職してしまう。
だから戦力として育てるのは不毛であると考える方もいますが、これも女性に限った話ではないです。
男性も子どもさんが産まれているのに育児に参加できないような会社では、やはり将来的にも厳しいと思います。

残業や長時間労働を強いるような環境ではとくに厳しいと思います。
したがって、たとえば働き方であったり納期・製造方法などを工夫する。
それにより昼間の短時間勤務で製造効率を上げることができる。
その短時間勤務の複数チームで作業を進めていくというように、仕組みを変えていく必要があります。

仕組みを変えることで何らかの事情で一人二人抜けたとしても、大してダメージを受けない工程管理・工業管理ができれば問題のない体制だと言えます。

今まで男性しかいなかった製造業・建設業さんで女性進出が増えている。
そういうところでは新しい機械設備を導入したり、働き方を変えていくなどの仕組みを変えていくことによる影響はやはり大きいと思います。

働き方どんどん変えていらっしゃる会社が多いので、取り残されてしまうと非常にまずいです。
仕組みを変えることを躊躇して、有望な戦力を逃す手はないと思います。

むしろ優先して解決するべきはセクハラ・パワハラ問題です。
とくにパワハラは男性社員に対しても根付きやすい問題です。
なので「女性が来たから仕組みや設備を変えなければいけない」ではなく、男女どちらにとっても働きやすい環境づくりが大切です。

もしそういった問題根付きやすい環境にあるのであれば、女性が入っても違和感なく働ける環境づくりにエネルギーを注いでいただいた方が、会社としてうまく回るのではないかと思います。

最後に

リアルマーケティングマスタースクール」では、地元で頑張る中小企業のための問題解決ご提供しております。

Webサイトでもこのように働き方についての問題提起をさせていただいておりますので、ご覧いただけましたら幸いです。

今回は以上です。

「男世帯の会社に女性の雇用は必要?採用するメリットと解決するべき課題について」の動画版はこちら

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