社員さんの教育で失敗する例と正しい研修の方法、社員さんが感情的になり始めたら

働き方改革
今回は当社が開催しておりますリアルマーケティングマスタースクールの中で気になる課題をお伺いしましたので、そちらについてお話いたします。

改めまして私どもで開催させていただいてるリアルマーケティングマスタースクールには、さまざまなイベントがございまして、その中の一つで問題解決ワークというものを定期的に行っております。

簡単にご説明しますと、セミナーでお伝えさせていただいた知識を元に、各社の課題を持ち寄っていただくというような内容です。


問題解決ワークのご紹介|RMMSリアルマーケティングマスタースクール会員限定サービス

持ち込まれる課題は色々あるのですが、たとえば集客ツールを作りたいとか。
それこそ今回のような人事問題に関するお悩みを解決したいなどさまざまです。

それらを相談ベースで持ち寄っていただいて、全グループで協力して解決策を見つけ出す。
そして情報を得た後、実際に会社の業績に反映させるための実行デーというのを設けさせていただいております。
そして先ほども少し出ましたが、今回は人事問題に関する課題についてお話させていただきます。

バックオフィスで起きている問題

今回ご相談がありましたのは、美容健康グッズの販売会社さんです。

そちらのバックオフィスで起きている問題について。
どういうお悩みかというと、そちらで働いていらっしゃる社員さんが感情的になってしまう
怒りを抑えきれずに衝突してしまったり、取り乱したりするというお悩みです。
それを具体的に見ていきたいと思います。

現場ではどういう状況だったのか

まず実際に現場ではどういう状況だったのかについて。

やはり健康グッズを販売している会社さんなので、バックオフィスは出荷準備が多いそうです。

今回怒りだしてしまったという社員さんも、こちらで発送担当をされてたとのことです。

その方は作業が手一杯で余裕がなくなったことでイラついて「できません」と連呼したり、社内的な依頼に反発的な態度をとっていたらしいです。
そうなると周りの反応としては「あの人結構感情的な面があるよね」「すぐ怒っちゃうよね」という印象で見られてしまうようになります。

しかし元々感情の起伏が激しい方というわけではなく、実際には真面目で作業はキッチリこなす人であると評価されていたそうです。
そのため普段の梱包作業などは丁寧で間違えることはほとんどないそうなのです。

しかし、その時はどうしても手一杯だったのか商品の詰め方は少し雑で、お世辞にも美しいとは言い難いと評価されてしまったそうです。

このお話を聞く限りだと、やはり担当者さんはかなりイラついているように思えます。

人間は強い怒りを抱えていると視野が狭くなり、周囲が見えなくなります
素直な対応を取ることもできなくなりますし、さらには考えることができなくなります

今回の例でもやはり、怒りが原因で大幅にパフォーマンスが低下しているのではないかと私は考えております。

理由についていくつか分析

ではその理由について、いくつか分析していきたいと思います。

まずここまでのお話を聞いて、経営者からすると「イラついたり反発するような社員は再教育が必要だ」と思うかもしれませんが、教育よりも先に背景事項を確認していく必要があります。

社員さんの怒りのきっかけがお仕事にある場合、本人を再教育しただけでは根本的な解決には繋がりません。
今回のケースでも背景事項を確認することで様々な問題が見つかりました

 

発送担当者さんがイラついてた原因は主に2つありました。

1つ目は「発送する商品に見合った箱が無い」という問題です。

バックオフィスには発送に使用する箱があるのですが、種類ごとに数に偏りがあったそうです。

こちらの箱は2年分ぐらい溜め込んでいるのに、別の箱は在庫切れを起こしてしまってるというように、発送する商品ごとに使いたい箱があるにも関わらずそれができない。
別の箱でイレギュラー対応しないといけない場面がかなり多い状況。
それがずっと続いていたことによって苛立ちの原因になってしまったのではないかと思います。

ですからまずは在庫切れや、2年分の箱みたいな過剰在庫はやめることが第一の解決です。
それが得意な社員さんにお任せして箱の数を定期的に確認してもらうことでイレギュラー対応を防いでいく。

たとえばキッチリした性格の人。
今回の問題に該当している社員さんはまさしく、典型的なキッチリした性格ということで在庫確認をして数量がいくら以下なら発注ということは恐らく得意である可能性が高いです。
なのでその適性に合わせて在庫管理や発注を担当していただく。
そうすればキッチリした人にとっては一番やりやすいお仕事ですので、落ち着いて作業することができます。

そしてその在庫確認も毎日必要というわけではないので、例えば11日と21日に調べてねというように色々な形で業務を固定化してしまう。
そうすると働きやすい環境ができてくるのではないでしょうか。
結果的に足りない資材も早い段階で発注することができるので、在庫切れを起こしにくい状況ができます。

更に今までは「この商品ならこの箱」という発送マニュアルを作ることができなかったそうですが、在庫問題の解決により完全にできるようになりました。

この問題の原因は、単に在庫管理をする人がいなかっただけのことでしたので、今ではスムーズな作業ができるようになっているようです。

 

2つ目に「発送時間過ぎの追加発注」です。

たとえば外部の支店から、発送が完了しているにも関わらずオーダーがくる。
本来なら発送時間はとっくに過ぎているのですが、身内からの頼みであれば送ってくれるだろうということで遠慮なくオーダーをしてくる。

それが習慣化してしまい、午前中か前日に一気に発注すれば良いものを
当然イレギュラーが発生することはあるのですが、そのコントロールを失って平常時でさえ時間を気にしなくなる。

本来ならA•B•Cの1セットで必要なものを揃えておく必要があるものを、思いつきでAだけ発注。
翌日Bを発注してないことに気づいてお昼過ぎにBを発注し、A・Bが届いた後に確認していると今度はCが足りなく今すぐ送って欲しいというようなことが日常的に続いていたそうです。

こちらは社内体制の不備が問題であって、本人の力だけでどうにかなるものでもないです。

まずはそもそもの準備不足を回避する。

例えば「Aが足りなければ在庫に関わらずB・Cも同時に発注しなさい」というような連絡マニュアルを作っておく。
そうすることで比較的時間に余裕ができ、資材不足に悩まされることも無くスムーズに業務が進むようになるということです。

 

次に梱包の荷姿があまり美しくない問題について。

こちらは元々働いている先輩の担当者さん、あるいは管理職の方から正しい梱包の引き継ぎを受けていなかったそうです。
つまり誰からも教わっていない状態で配属され、ずっとオリジナルの方法でやっていたのです。

これもかなり問題だと思います。

再教育以前にまず基本的な教育を受けていなかったわけです。
なので最初はお手本を見せる。

商品ごとに、どのサイズの箱を使うのか。
それが決まったら今度はそれぞれのパターンの梱包方法だったり、荷姿の理想形を実際にやって直接見てもらう。
ついでにビデオを撮っておくことも有効です。

要は何度でも確認できるようにして、それを参考に練習してもらうわけです。

もう一つ重要なのは「ビデオを撮ったから明日から頑張れよ」とかではなく、そのビデオを元にまずは一度テストする。

トレーニングの期間を設け、それに立ち会う。
トレーニングですので何度間違えても問題はなく、安心できる環境の中で着実に技術の習得、マニュアルの習得ができる環境が作りやすいです。

怒りが湧いてくる別の問題がいくつもあった

ここまでの内容を踏まえると、当初は怒りっぽい社員さんがいるというご相談内容だったのですが、実際には本人が怒りやすいのではなく怒りが湧いてくる別の問題がいくつもあったわけです。

 

在庫問題については在庫管理する人を決めていなかった責任者の問題ですし、イレギュラーな発送対応も発注してくる側の問題でした。

背景事項を確認した結果、そのほとんどが本人にはどうしようもない問題の積み重ねであったことが分かったと思います。

そしてこの問題を踏まえて、今までの働きぶりを見返してみると「あの社員、実はあんなに頑張ってたんだ」と評価を改めることになるのではないでしょうか。

今回もそうですが、うまくいかない時はどうしても社員さんに問題があると疑いがちになってしまうのですが、実際には会社のルールや遂行そのものに問題があることが結構多いです。

しかし仮にその問題に社員さんが気づいても、仕事を作り直してもらうことはできません。
社員さんのお仕事はあくまでも決められたルールをしっかり守ってもらうことですので、ルールが不十分なお仕事を渡してしまうと悩んでしまいます。

そして場合によっては今回のように怒りを抱えてしまうことが往々にしてあります。
まずはその辺の業務解決が非常に重要であると思います。

業務を構築し直す時はどうするのか

最後に業務を構築し直す時はどうするのかについて。

まず最優先でやらないといけないのは、ネックになっている部分です。

いきなり全体を変えようとするのではなく、根本的な原因を突き止めてそこから変えていく。

今回の場合は当初問題視していた発送そのものではなく、それ以前の管理体制による問題にしわ寄せが来ていることが明白にわかりましたので、そのトラブルの原因を取り除く。

そのトラブルを取り除くにしても誰が担当するのか?
日付と時間はどうするのか?
そしてどういう成果が出たら成功なのか

を明確に決めてからみんなでやっていく。
そこが決まらない限りは何となく変えてみた止まりで、結局問題が解決しないことが多いです。

そういう場合のためにコミュニケーションのルールは最初から決めておいた方が良いと思います。

 

私の会社でも女性の社員さんは多いのですが、穏やかにいく部分もあればコミュニケーションに問題を抱えていらっしゃることも少なくないです。
そのためルール化はやはり必要です。

特にオススメするのは、相手の良い面であったり仕事場の良いところを指摘しあえる環境にしておくことで、業務がスムーズに進むことが多いです。
これに関しては社員さん同士で自主的に仲良くしてねと言ってもできるものではないです。
そのためコミュニケーションに関するトレーニングを導入することをオススメします。

そして業務の内容としては事実のみを伝える

当然のことですが、勝手な推測であったり、オリジナルの無茶な代替案は必要ありません。
しかもそういう時は感情に縛られているので、大抵は懲罰的なアイデアを持ってくるものです。

そうではなく事実のみを伝えるのがコミュニケーションです。

良い面と事実だけを社員同士の交流で出していただいて、悪い事実は上長に報告・連絡・相談するのが企業として当たり前なのですが、それがなかなかうまくいかないようだと感情的なトラブルが起きやすくなります。
そして今回のように伝え方に問題がある場合、社員同士で解決すると結果は悪くなるばかりです。

ですから、まずはボトルネックを排除してからコミュニケーションのルールを変えていくようにすることで、スムーズに進むのではないかと思います。

「社員さんの教育で失敗する例と正しい研修の方法、社員さんが感情的になり始めたら」の動画版はこちら。

最後に

今回は教育で失敗する例と正しい研修の方法についてお話しました。

リアルマーケティングマスタースクールでは、地元で頑張る中小企業のための問題解決をご提供しております。
Webサイトもご覧になってください。


スクールについて

参加をご検討される方はそちらにお申し込みをご用意しておりますので、ご参考にしていただければと思います。

他にもお悩みの方がおられましたら無料オンライン相談もご用意しており、現状お困りの問題点から解決のポイントをお伝えしたいと思います。

今回は以上です。

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