ビジネスモデルの話をすると、
「当社では決まっている仕事があるのでそういう考えと関係ありません」
「合いません」
と言われることがありますが、どの業界でもビジネスモデルを変えていく必要があるというお話をしたいと思います。
今回は、参考になる一つのサンプルとしてお話をしたいと思います。
ビジネスモデルの寿命を地方の企業を例にみてみる
「自分の事業は安泰だ」「未来は色々ある」「ライバルさえいなければ、私はやっていける」等さまざまな考えがあると思いますが、企業によって適したそれぞれのビジネスモデルがあると思います。
特に、地方の企業を例にして考えてみたいと思います。
確かに伝統業種ほど長寿命だけど
戦後すぐからや昔からあるような仕事で、そういった伝統業種ほど当然長寿命の事業であることが分かります。
例えば、今のITベンチャー企業などと比べると、そのビジネスが及ぼす時間、活躍出来る期間というのは数十年単位で長期間である。
そういった意味ではかなり有利で、終わりがくるのはまだまだ先と思う気持ちは分かります。
どんな商売にも終わりがある、その統計上の根拠
しかし、どんなビジネスであってもやはり事業の終わりはあります。
栄枯盛衰ではありませんが、いつかは事業の終わりはきます。
統計上、どこを見れば分かるのかというと、国勢調査を見れば簡単に分かります。
例えば、同業のご職業をされている方の人数でしょうか。
就業人数の変化やその方々の所得の推移、年齢の推移などを見ていくと、例えば極端に高齢化しているや人数が急激に増えている。
あるいは、減少トレンドに入っているなどが分かってくると思います。
ここで抵抗される方がいらっしゃいます。
例えば、食品の仕事をされていて、「人間がご飯を食べるということに終わりはないので、このビジネスは終わりません」という考えはあると思いますが、よく考えてみてください。
お客様は食品であればあなたの会社ではなくても、他社の食品でも良いわけなので他のビジネスモデルに取って変わられてしまいます。
後程お話しますが、そういったところで一旦受け止めていただければと思います。
終わりがわかったら次の商売へ進むべき
国勢調査等々で様々なデータを見ていただき、「このままでは先はない」と気づいていただければ、次のビジネスモデルへ進みます。
「うどん屋さんが建築業をやりましょう」や「建築業がITベンチャーをやりましょう」という意味ではありません。
「ビジネスモデルを少し変えて、より多くのお客様が利用しやすい形に変えなければいけないのではないですか?」というお話です。
典型的な例:btobから脱却したビジネスモデルの作り方
btobから脱却したビジネスモデルの作り方について、簡単にお話をしたいと思います。
人口動態や社会の発展でビジネスモデルは変遷する
ビジネスモデルばかり言われると、少しアレルギー反応を起こす方がいらっしゃると思います。
簡単にいうと、仮に同じように見える商品であっても、仕事としてのやり方やお客様との関わり方が変わっていくということです。
これも人口動態で人口が増えていく過程なのか、下がっていく過程なのか。
あるいは、日本でいう戦後から現代のような時代への発展でしょうか。
海外でもそうです。
例えば、今から急速に人口が増加して経済が発展している国とある程度成熟している国とでは、ビジネスモデルがそれぞれに変わっていくということがあると思います。
パパママ工房から大手の下請けへ、その能率が必要な時代も確かにありました
多くは人口が急激に増加する手前の時点では、やはりパパママ工房です。
旦那様と奥様とご家族で自宅兼商店から始まる。
まずそこから経済がスタートした時点で、その中で抜きに出てくる大手さんや政府の経済指導で様々な予算が出てくると、その大きな力の下請けに頼る。
個人のお客様から法人のお客様へ徐々にシフトしていくということがよくありました。
経済効率でいうと、その能率が必要な時代というのは必ずどの国であっても経ていくわけです。
市場が小さくなり汎用品が普及し尽くした現在取るべき進路とは?
しかし、経済規模が次第に大きくなり、経済性の流通が満たされてくる。
巨大な会社には資本があり、btobが発達し、次第に例えば自動車工業のように個人ではとても出来ない規模になってきます。
そうすると、商品は汎用性を持ち、国民全てに隈なく普及し始めてくる。
そうなると、少しギアチェンジが必要になる。
全て行き渡ってしまったら、成長性がなくなってしまうので次の段階へいかなければいけません。
例えば、海外企業が入ってきて価格の競争が起きたりなど町工場さんが辛い思いをされてることです。
その先をどうすれば良いのかということです。
地域活性と新事業をミックスさせたビジネスモデルの例
地域活性と新事業を様々にミックスさせなければいけません。
そういったビジネスモデルの例を簡単な形でお話をしたいと思います。
畳店さんが新規事業としてエアコンクリーニングを始めた場合
今回ご紹介するのは、畳店さんが新規事業として例えばエアコンクリーニングを始めた場合です。
このような新規事業がスーパースペシャルでおすすめですよという意味ではありません。
仮に新規事業として別の仕事を始められた場合があったとします。
とはいえ、畳店さんが伝統業種でこのままでは先細る一方なので、次の事業をしなければいけない。
その一方で、畳店さんのお客様が望まれている仕事ということでエアコンクリーニングを新規事業として始める。
畳を注文したお客様の所で、畳店の社員が畳を運んだトラックで別のサービスをする。
これであれば、「ビジネスモデルの移動が少ない」「負担が少ないので出来る」とここまでは正解です。
クリーニングそのもので儲かる新規顧客は集めづらい
しかし、その一方で冷静に考えてほしいのは、エアコンクリーニングそのものが成長市場ではないということです。
そう考えると、同じ苦労をしなければいけません。
冷静に考えると、エアコンクリーニングで進出したからといって、その商品性で笑いが止まらないほど儲かるような新規顧客が地方で集まるのかというと、かなり集まりづらいです。
それが現実なのです。
そう考えると、畳の仕事とエアコンクリーニングというミックスは失敗なのです。
ただ、ミックスの効果があるだけです。
エアコン関連を集客商品にしてサポートか他の商品を提案していく
畳を販売されたお客様に関して、例えばエアコンクリーニングをやられているのであれば、まずはエアコンクリーニングでお客様とのお付き合いを再開する。
再開した後に、いかにエアコンクリーニングの周りの商品でサポートしていけるか。
それ以外の商品の展開性を持つことによって、お客様一人当たりに対するお引き取り価格でしょうか。
マーケティングでいうと「生涯価値」というのですが、そのお客様と長年お付き合いさせていただく中での総売上高が上がっていく。
そうすることで、例えば元々強かった畳商品の販売も出来ますし、関連商品も推せますし、エアコンクリーニングに類似したサービスを求められる可能性があります。
そういった形で、お客様とのお付き合いの幅が広がることによって相乗効果を持たせるということでかなり有効になっていきます。
一つ一つのビジネスでみると不利ですが、合わせると有利になる。
そうすると、スーパースペシャルなビジネスモデルでなくても、展開しやすいというお話でした。
最後に
「リアルマーケティングマスタースクール」では、地元で頑張る中小企業のために問題解決を提供しております。
こういったビジネスモデルのお話などのコンテンツを次々とWebサイトにアップしておりますので、ご覧いただければ幸いです。
今回は以上です。
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