「テレビに出たんです。でも、お客さんは増えませんでした」。こういうご相談、実はよくいただきます。
メディアに出る、賞を取る、雑誌に載る。露出そのものは、決して悪いことではありません。ところが、出た直後は反応があっても、しばらくすると元通り、ということが少なくないんです。テレビでも、受賞歴でも、プレスリリースでも、起きることは同じです。
この肩透かし、実は実績が悪いのではなく、見せ方のほうに原因があることがほとんどです。実績をどう扱うかで、同じ露出でも効き方はまるで変わってきます。
先日の問題解決ワークでも、テレビ出演やポスティングの反応がなく、出演実績をどう活かせばいいのか、というご相談をいただきました。今日は、その場で整理された考え方を、開催レポートとして紹介します。
「テレビに出ました」は、なぜ響かないのか
相談の結論から言うと、「テレビに出ました」というプレスリリースは、あまり好かれません。ですから、それ自体を前面に押し出すのはやめたほうがいい、というのが基本方針です。
考えてみれば当然で、読み手からすると「宣伝されている」という空気を真っ先に感じ取ります。露出したことを誇るメッセージは、こちらの都合が先に立ってしまうんですよね。だから、いくら実績が立派でも、それを主役に据えると、かえって響かなくなります。
これは受賞歴でも、雑誌掲載でも同じです。「賞を取りました」だけを前面に出しても、読み手からすれば「それで、私に何の関係が」となってしまいます。実績は、それ単体では読み手の悩みに答えていないんです。
出演実績は「広告の裏面」に回す
では、出演実績をどう扱えばいいのか。問題解決ワークで出た答えはシンプルでした。出演実績は、広告の裏面に「テレビ出演」と入れて、信頼の材料として使う程度でいい、というものです。メインには据えません。
主役は、あくまで商品やサービスそのもの。読み手が知りたいのは「自分の悩みが解決するか」であって、「この会社がテレビに出たか」ではありません。出演実績は、その主張を後ろから支える裏付けに徹してもらいます。表に立たせず、脇に置いて信頼を添えるだけで、十分に役割を果たすんです。

経営者からすると、せっかく取れた実績を大きく見せたい気持ち、よく分かります。苦労して出演にこぎつけたのなら、なおさらです。でも、その気持ちと、読み手に響くかどうかは、別の話なんですよね。実績を誇る場所と、実績を活かす場所は分けて考えます。
信頼は、声の大きさでは決まりません。実績を静かに添えておくほうが、かえって「特に誇っていない」という余裕に見えて、信頼につながることもあるんです。焦って前に出すより、控えめに置いておくくらいがちょうどいいんですよね。
どうしてもPRしたいなら、枕詞にこじつける
とはいえ、「取材されたことをどうしても発信したい」という気持ちも、わかります。そんなときのやり方も整理されました。出演を枕詞にこじつけて、「◯◯番組で取り上げられた新サービスを、いよいよ本格発売します」という形にするんです。
「テレビに出ました」で終わるのと、新しい発表の枕詞として使うのとでは、読み手の受け取り方が変わります。あくまで主役は新サービスの発売。出演歴は、それを後押しする一言に収める、という順番です。プレスリリースを打ちたい気持ちを我慢する必要はなく、主役の座を譲ればいいだけなんです。
露出の多い会社ほど、裏付けに回したほうがいい
ご相談くださった方の会社は、もともと複数のメディアに露出がありました。だからこそ、出演実績を前面に出すのではなく裏付けに回し、別のコンセプトを主役にしたほうが、かえって「信頼できる」という図式ができあがります。露出を前面に出す方向で考えていたそうですが、それは遠回りになる、という整理になりました。
結論は「テレビ出演は信頼性の材料に徹し、別コンセプトを前面に出す」。露出があること自体は資産です。ただ、資産の使い道を間違えると、せっかくの実績が空回りしてしまいます。露出が多い会社ほど、この使い分けの差が結果に直結します。
逆に言えば、露出が少ない会社は、まだこの悩みに直面していないだけかもしれません。実績が増えてきたタイミングこそ、前面と裏付けの整理をしておく機会です。
おわりに
テレビに出ても、賞を取っても、メディアに載っても、それだけでは集客にはつながりません。露出は、主役ではなく裏付けとして使う。プレスリリースを打つなら、出演を枕詞にして、主役は別に立てる。この順番を間違えなければ、同じ実績からでも伝わり方は変わってきます。
自社の実績を、いまどう見せているか。一度並べてみてください。前面に出しすぎているものがあれば、それは裏に回す候補かもしれません。
自社の場合、どの実績を裏付けに回し、何を主役に立てるか。一人で決めきれないところなので、よかったら一度、あなたの実績の活かし方を一緒に整理させてください。
