「折込の反応が落ちました。もう紙はダメなんでしょうか。」
そう思いますよね。僕もその相談を、この数年で何度も受けています。
ただ、紙がダメになったのか、その地域でその届け方が効かなくなったのか。この2つは全く違う話です。今回は、それを分けて確かめる手順を順にお話しします。
まず、折込とポスティングを入れ替えて考えました
どういう状況での相談だったかを先に書きます。地域密着で紙を撒いている商売の方からのご相談で、長く折込チラシを使ってこられた方です。内容は毎年少しずつ直していて、それでも反応が落ちてきている。そういう状態でした。
当たる媒体は、地域ごとに逆になります
まず知っておいていただきたいのが、これなんです。
チラシが薄いところはポスティングが当たるし、ポスティングが当たるところはチラシが当たらない。きれいに逆になります。
理由は考えてみれば当たり前で、折込がぎっしり入っている地域は、その地域の人が折込を見る習慣を持っているということなんですよね。逆に折込が薄い地域は、そもそも新聞が入っていない家が多い。その家には、ポスティングでないと届きません。
つまり、媒体の良し悪しの話ではないんです。その地域に住んでいる人の生活の話なんですよね。自社のチラシがどれだけよくできていても、届かない家には届きませんから。

新聞そのものが薄い地域を見つけます
なので最初にやるのは、コピーを直すことじゃないんです。自分の商圏の中で、折込が効いていない場所を探すことです。
新聞折込が効かない地域。新聞そのものが入っていない地域。ここは、ポスティングのテストをする価値があります。
これ、地図の上で線を引く作業なので、その日のうちにできますよね。お金もかかりません。
内容を直す前に、届け方を疑ってください
順番の話をします。反応が落ちると、たいていの方はチラシの中身に手を入れます。写真を替える、キャッチを直す、割引を足す。
気持ちはわかります。自分の手で直せるのが、中身だけだからなんですよね。
でも、届いていないのだとしたら、中身をいくら直しても反応は動きません。そして、直したのに動かないと「もう紙はダメだ」と結論してしまう。これがいちばんもったいない負け方です。
しかも、こうやって紙をやめた方は、たいてい次にやることが決まっていません。効かないと決めた媒体だけが手元から消えて、代わりが入ってこない。やりきれないですよね。
なんせ安全第一。まず、届いているかどうかを先に確かめてください。
次に、いちばん小さい単位でテストしました
じゃあ、どうやって確かめるのかって話ですよね?
3000円で3000枚配って、何件来るかだけ
テストなので、大きく配る必要はありません。当日、僕はこうお伝えしました。
「テストなんで、そんなにでかいエリアでやらなくていい。小さいエリアで、3000円で3000枚配って、何件来るかだけなんで」
見るのは1つだけです。何件、問い合わせが来たか。それだけ。
そうなんです。反応率の計算も、読み合わせも、後からで構わないんです。まず件数を1つ持ち帰る。
これを複雑にすると、また準備が長くなって、その季節が終わってしまいますからね。
マンションで3000枚配って1件なら、見送りです
判断も単純にします。
たとえばマンションで3000枚配って、1件。これなら、その手法は見送りでいいと思います。無理に続けなくていい。
それでも、その1件という数字は残ります。「なんとなくダメだった」ではなく「3000枚で1件だった」なら、次に何を替えるかを話し合えるんですよね。数字がないと、来年また同じところで迷うことになります。
寒い時期の結果で判断しないでください
ひとつ、時期の注意があります。寒い時期は反応が落ちやすいんです。
年末年始に配って反応がなかったからといって、その媒体がダメだと決めないでください。暖かくなる3月頃からのほうが、素直な数字が出ます。せっかく試すなら、条件のいい時期にやったほうがいいですよね。
どうしても底上げしたいときは、割引を付ける手もあります。1割くらいで十分です。期限は理想を言えば1か月ですが、現実には3〜4か月で区切っても構いません。
最後に、配る人に報いました
ここは、ポスティングをやると決めたあとの話です。そして、僕自身がいちばん失敗と成功を見てきたところでもあります。
枚数は、思っているほど配られていません
先に嫌な話をします。配り手は、信用しすぎないほうがいいです。
枚数を数えない。配らない。悪意があるというより、数えるのが面倒で、確かめる人もいないからそうなります。
これを知らずに「3000枚配ったのに1件だった」と結論すると、判断そのものが狂います。実際には1500枚しか配られていないかもしれないわけですから。
事務所の近所から配ってもらうと、守られます
じゃあどうやって管理するのかって話ですよね?監視するのは無理です。一日中ついて回るわけにはいきません。
なので、配る順番を決めます。事務所の近所から配ってもらう。
こうすると、手を抜いたらすぐバレるんです。バレる場所から始めるので、そこでちゃんとやる癖がつく。そのまま遠くへ行っても、たいてい同じようにやってくれます。
管理ではなく、設計です。人を信じるか信じないかの話にしないほうが、お互い楽なんですよね。
正月に、まとめて現金で渡した話
最後に、僕がやってよかったことを一つ書きます。
配り手の方には、「1件成約でいくら」というインセンティブを付けていました。金額は安く設定しています。当たったぶんを、バイト代に上乗せする形です。
そのインセンティブを毎回渡すのではなく、半年ぶんまとめておいて、正月に現金でお渡ししました。相手はポスティングが好きで長く続けてくれていた、ご高齢の方です。
パッと渡したら、涙を流して喜ばれました。僕のほうが驚きました。金額の話ではなかったんだと思います。
それから、態度が変わりました。配り方が変わったんです。言葉で管理しようとしていた時期より、ずっといい仕事をしてくださるようになりました。
紙が効かなくなったのではありません。届け方と、届けてくれる人のところで差がついているだけです。まずは3000円ぶん、小さく試してみてください。
