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事業承継——ある二代目の場合

事業承継——ある二代目の場合

「殺してやる」と罵り合う父子

ある会員さんの話です。社会的に立場のあるお父さんと、不良息子。完全に水と油の関係でした。

父親との関係が壊滅的で、「殺してやる」と罵り合うほどの対立。感情的なぶつかり合いが、日常でした。

世代交代のスタートが、最悪でした。「俺に経営させてくれ」と息子が頼んだ結果、父親は会社の現金と預金を全額引き上げた状態で、経営を任せたのです。「今まで親父の七光でやらせてもらっているんだぞ」と、思い知らせたかったのでしょう。

銀行から借入をして、再出発。経理の知識はゼロ。夜中まで自分で処理する日々。誰も味方がいない。相談できる相手もいない。経営者の孤独を、地獄の底で味わっている状態でした。

大のコンサル嫌いだった

その方は、大のコンサル嫌いでした。現場のことを知らない人間が偉そうに言うことに、強い反発がありました。地元の業界では一目置かれる、リーダー的な存在でもありました。

合宿に来た当初は、悪ふざけが目立っていました。

転機——合宿のワークで絵を描く

転機は、RMMSの経営計画合宿でした。合宿では、事業計画だけでなく、プライベートの問題にも踏み込みます。通常のセミナーなら避けるような核心——家族との関係——にも、切り込みます。

合宿のプログラムの中に、絵を描くワークがありました。

その方が描いたのは、土下座している自分。その自分の頭を、父親が足で踏みにじっている絵でした。

泣きながら、描いていました。

それまで悪ふざけが目立っていたその方から、その時、真剣さが伝わってきました。変わるきっかけは、ここでした。

合宿後の変化

合宿の後、少しずつ変化が起きました。

あれだけ憎しみ合っていたお父さんに、頼る。——それが、どれだけ辛いことか。

その方は、父親に頼るという姿勢を持つようになりました。資金繰りの相談を、父親に持ちかける。ただの老害と扱わず、社内会議にも毎月「会長」として招いて意見を尊重し、議事録にも残すようになりました。

最初は警戒していた父親も、息子の変化に気づき始めました。

地元の有力者のお通夜で、偶然同席する機会がありました。帰りに二人で居酒屋に入り、将来のことを語り合ったそうです。

結末

父親は、兄弟が複数いるにもかかわらず、事業用の土地をすべてこの方に相続するという、生前遺言を作成しました。

「親父をぶっ殺してやる」と言っていた人が、お父さんと二人で飲みに行く関係になったのです。

先代との対立は「構造」である

事業承継で先代と対立している方に、伝えたいことがあります。

先代の反対は、構造的なものです。正しくても間違っていても、反対する。猛反対の後、結果が出たら手のひらを返す。それが実情です。

先代と、結果が出る前に合意を取ろうとするのは、ファンタジーです。でも構造を理解すれば、対処法があります。この方のように、関係を再構築することは可能です。

事業承継の問題は、経営テクニックだけでは解決しません。感情と向き合い、関係を設計し直す必要があります。

RMMSの合宿で、事業計画だけでなく家族関係にも踏み込む理由は、こういう事例があるからです。

※ 本記事は、ご本人の許可を得て、個人が特定されないよう匿名で掲載しています。

Next Step

先代との関係は、
設計し直すことができます

「殺してやる」と罵り合った父子が、二人で飲みに行く関係になりました。事業承継は、経営テクニックだけでは動きません。あなたの状況を、まず聞かせてください。

個別相談は無料・予約制・30分のオンライン相談です。家族関係にも踏み込む合宿を含め、RMMSの全体像はスクール案内でご覧ください。