「面談って、何を話せばいいんですか」そのとおりです。話すことが決まっていない面談は、座った瞬間から迷子になります。今回は、面談の中身を用意するのをやめて、終わり方から先に決めるという話です。
面談のやり方を偉そうに語れるほど、僕が最初からできていたわけではありません。長いこと、決める順番を取り違えていました。決めるものは3つです。順番を入れ替えただけで、面談が短く終わるようになりました。
まず、社長面談で言わせたい最後のひと言を決めました
面談の場面を思い浮かべてください。年に一度か二度、社員と1対1で向き合う時間です。評価を伝える会社もあれば、目標を決める会社もあります。いずれにせよ、社長の側には「こうなってほしい」があって、社員の側にはそれがない。この状態から始まります。
だから最初に決めるのは、話題ではありません。面談が終わるとき、社員がどのセリフを言っているか。そこです。
面談のゴールは「わかりました」ではない
多くの面談は、社員が「わかりました」と言って終わります。これ、ゴールじゃないんですよね。「わかりました」は、話が終わったことを示すだけの言葉です。明日から何かが変わる保証は、そこには一つもありません。
僕が決めているのは、もっと具体的なセリフです。従業員面談なら「じゃあこれを、このお話終わったら、早速ここからやりたいと思います」。本人が、いつ、何をするかを自分の口で言っている状態です。
言い換えれば、社長が言わせたい言葉ではなく、社員が自分で言い出した言葉。ここを終点に置きます。
場面ごとに、言わせたいセリフは違う
このやり方は面談だけのものではありません。場面が変われば、終点のセリフも変わります。
- 商談なら「よろしくお願いします」
- 接骨院の問診なら「来週火曜日来たらいいんですよね」
- 従業員面談なら「早速ここからやりたいと思います」
並べてみると、どれも共通しているのが分かると思います。こちらが説明した言葉ではなく、相手が次の行動を口にしている。そうなんです。終点は必ず、相手のセリフなんです。
自分の会社の面談で、社員に何と言わせたいか。これを一文で書けないうちは、面談の準備はまだ始まっていません。
次に、時間の配分を決めました
終点が決まったら、そこまでの道のりを見ます。ここを飛ばす人が本当に多いんですよね。
何分で着くかを先に見積もる
決めた最後のひと言に、何分でたどり着けそうか。これをだいたいでいいので把握します。
10分で着く話なのか、1時間かかる話なのか。社員によっても違いますし、伝える内容によっても変わります。正確でなくていいんです。見積もること自体に意味があります。
雑談に何分使うかまで決める
時間の総量が決まったら、その中を割ります。1時間の面談なら、どの話に何分使うか。雑談に5分でいいのか、10分いるのか。
雑談の時間まで決めるのか、と思われるかもしれません。決めます。むしろ雑談こそ決めておかないと、話しやすい社員とは30分喋って、話しにくい社員とは3分で本題に入ることになります。同じ会社の面談なのに、相手によって別物になってしまうんですね。
決めないと、話が伸びて着かない
配分を決めずに始めると、何が起きるか。前半で盛り上がって、後半で時間が足りなくなります。そして一番大事な、社員に言わせたいひと言のところで「じゃあ、また次回に」と流れます。
これ、面談としては失敗です。1時間使って、終点に着いていないんですから。
最後に、最初のひと言を逆算しました
ここまでで、終点と時間配分が決まりました。残っているのは入口です。
ゴールから遡ると、一言目は自動的に決まる
順番に考えるのをやめて、後ろから遡ってください。最後に社員に言わせたいセリフがあって、そこに至るには何分でどういう話をして、その手前には何があって、と戻っていく。そうすると、最初に何を言えばいいかが導き出されます。
考える道具は何でもいいです。紙に丸を書いて線でつなぐだけでも十分です。事前に考えてさえあれば、当日そんなに悩まなくて済みます。
決めずに走り出すと、どこにも着かない
逆に、いきなり最初の話から始めて、ゴールが分からないまま走る。これがいちばん良くないんです。
ゴールを決めずに走ると、話は伸びます。伸びた分だけ、社員の側には「長い面談だった」しか残りません。決めていないことが原因なので、話し方をどれだけ磨いても解決しないんですね。
決めるのは3つだけです。社員に言わせたい最後のひと言。そこまでの時間配分。そこから逆算した最初のひと言。
この3つを面談の前に紙に書いておくと、当日の面談は驚くほど短く終わります。着くところに着いてしまうので、伸ばす必要がなくなるんです。ぜひ次の面談で試してみてください。
