コラム一覧に戻る

「うちじゃないけどな」を、聞き流さない

新規事業の種は「うちじゃないけどな」と思いながら受けている相談の中にあります

新規事業のネタは、外で探してくるものだと思われています。でも実際には、自分の会社の中にもう溜まっています。一つは、いま社長ご自身が一番イライラしている問題。もう一つは、うちじゃないけどなと思いながらお客様から相談されていること。9月の1dayセミナーで出した二つの問いと、そこに集まった答えのお話です。

お客様の家の前で、庭の草むしりを相談されてメモを取る社長

9月の大阪の1dayセミナー、テーマは新規事業展開でした。

毎回、次にやってほしいテーマの投票をとるんですが、いちばん票が集まるのがこれです。

それだけ、次の柱をどうしようかと悩んでおられる方が多いということですよね。

この日、最初にやってもらったワークのお話をします。

新規事業と聞くと、「で、どの商売がいいんですか」と聞きたくなりますよね。

だから当日は、「直接どの商売がいいですって」いうやり方以外にあるんじゃないの、と前置きしてから始めました。

やってもらうのは一人で。

時間は「5分もあればいいと思うんですけど」と言って渡しました。

出した問いは二つです。

一つ目。

「今会社で一番イライラしてる問題を教えてください」

会社の問題というより、社長ご自身がぶつかっている、一番イライラしている問題のことです。

書類と写真の整理に追われて、机で頭を抱える社長
社長ご自身がいま一番イライラしている問題も、次の事業の種になります

二つ目。

「お客さんから相談されたこと。うちそれやってないけどなと思いながら、お客さんから相談されること」

うちじゃないけどなーって思いながら言われてること、ですね。

新規事業を考える場なのに、商品の話を一つもしていません。

その代わりに、いま困っていることと、いま頼まれていることを思い出してもらいました。

集まった答えを、誰のものか分からない形でいくつかご紹介します。

イライラの側は、こんな感じでした。

見積もりを出したら赤字になっている。

書類仕事と写真の整理に追われている。

人手不足がいつまでも解消しない。

ほかにもいろいろ出ました。

頼まれごとの側はこうです。

外壁塗装をやってくれないかと言われる。

障子の、ちょっと特殊な見積もりを頼まれる。

草むしりを頼まれる。

紙以外のものに印刷できないかと聞かれる。

こちらもほかにいろいろ出ました。

読んでいて、どうでしょう。

うちにも同じのがある、と思われた方が多いんじゃないでしょうか。

そうなんです。

どこの会社にも、この二つはもう溜まっているんです。

それなのに、新規事業となると外へ商品を探しに行ってしまう。

なぜ商品から探さないのか、ここは毎年お話ししていることなんですが、一回書いておきますね。

「事業が安定したらやりますわ」

これ、本当によく言われます。

でも、やっぱりうまくいかないんです。

安定してから、ではなく、今のお客様とのお付き合いを広げながら、次にどの領域へ出ていくかを考えないといけません。

「何か良い商品見つかったら走ります」

これもうまくいきません。

見つかるまで待っていると、走り出す日が来ないからです。

先に走っておいて、走りながら形を決めていくんです。

そうしないと、ずっと待つだけで終わってしまいます。

じゃあ何から走るのか。

今の既存のお客様が何に困っているか、そこからです。

逆に、「こういうのができたから売りたい」はあまりお勧めしません。

当日もそのまま言いましたが、「だいたい相談の9割がそれなんです。それは難しいです、本当は」

なぜ難しいかというと、できたものを欲しがってくれる人を、あとから探しに行くことになるからです。

気持ちは分かるんですよ。

自分で作ったものは、自分が一番好きですからね。

でもそれで走ると、売り先を探すところで力を使い果たしてしまいます。

だから、お客様が欲しいものを提供しよう。

当日の言葉のままなら「それだけそれだけそれだけそれだけです」。

ここまで読むと、あの二つの問いの意味が見えてきますよね。

まず、「うちじゃないけどな」の相談です。

これ、もう欲しいと言われている状態なんです。

作ってから欲しい人を探すのと、欲しいと言われているものを後から用意するのと、どちらが楽でしょう。

当日は、お客さんが欲しい商品に合わせて後で作ればいい、こっちの方が楽です、という言い方をしました。

外壁塗装も、草むしりも、紙以外の印刷も、頼んできたお客様が目の前にすでにいます。

売り先探しが、最初から済んでいるんです。

実際、植木の剪定を相談されたところから次の仕事が始まった会員さんもいます。

次に、一番イライラしている問題のほうです。

こちらは、新しい事業へ移っていくこと自体が、同時に自社の問題解決になればよりいい、という話になります。

人手不足が解消しないのがイライラなら、人手を増やさなくても回る形の事業を新規で組めばいいんです。

赤字の見積もりがイライラなら、同じ見積もりの出し方をしなくて済む事業を新規で試せばいいわけです。

うまくいけば、新しい売上と、長年のイライラの解消が一緒にやってきます。

新規事業を考えることが、そのまま今の会社の改善になるわけです。

その日は、みなさんご自分の答えを出して帰られました。

その場にいなかった方でも、明日からできることがあります。

次にお客様から「うちじゃないけどな」と思う相談を受けたら、聞き流さずに一つ覚えておいてください。

断るにしても、誰が、何を頼んできたかだけは残しておいてくださいね。

Next Step

断っている頼まれごとを、
次の事業に組み立てる。

そこから先は一人で考え込むより、同じように悩んでいる社長さんたちと一緒に考えたほうが早いです。RMMSの1dayセミナーは、そういう場として使っていただいています。次の種を持って、一度のぞきに来てください。

覚えておいた相談を、次の事業にどう組み立てるか。