「チラシを配っても反応が薄い気がします」「ポスティングは業者にお願いしているんですが、これで合っているのか分かりません」。こういうご相談、実はとても多いんです。
集客のためにと思って、業者にポスティングを依頼します。ところが、蓋を開けてみると反応がほとんどありません。ここで多くの社長が迷うのが、「チラシの中身が悪いのか」「配り方が悪いのか」の切り分けです。原因が分からないまま、なんとなく続けるか、なんとなくやめるか。この二択で止まってしまうんですよね。
業者に任せている以上、配布の様子を自分の目で見ることはまずありません。届くのは「配りました」という報告と、反応の数字だけです。その数字が悪かったとき、何を疑えばいいのか。判断の手がかりがないまま、モヤモヤを抱えている社長は、思っている以上に多いはずです。
以前の問題解決ワークでも、ちょうどこの相談がありました。ポスティングを業者に依頼している経営者の方から、サンプル版を配ってみたが反応が伸びない、というお話です。今日は、その場で私がお伝えした考え方を、開催レポートとして紹介します。

サンプル版のポスティングで、反応はたった1件でした
ご相談の内容は、シンプルなものでした。新しいチラシのサンプル版を業者にお願いしてポスティングしたところ、反応がわずか1件しかなかった、というものです。数を配ったはずなのに、ここまで反応が薄いと、続けていいものか不安になりますよね。せっかく作ったチラシです。デザインを見直すべきか、キャッチコピーを直すべきか、そちらに気持ちが向くのも当然だと思います。
ただ、私がまず確認したのは、チラシの中身より先に「どう配られたか」でした。ここを見落としたまま「チラシが悪い」と結論づけるのは、早すぎるんです。中身の改善は、配られ方が分かってからでも遅くありません。
なぜ、業者に任せたポスティングは効果が薄くなるのか
業者に依頼するポスティングには、見えにくい落とし穴があります。私はこうお伝えしました。「業者さんだと、たくさんのポスティングでまとめて入れるので、効果が薄くなってしまいます。廃品回収や家庭教師、中古車屋さんなどのチラシと一緒に混ぜてポスティングしてしまうため、面倒な場所は入れないこともあります」
つまり、自社のチラシだけが単独で届くわけではないんです。何枚もの他社チラシと束になって、まとめて投函されます。受け取る側から見れば、チラシの山の中の1枚でしかありません。しかも、配りにくい場所やマンションの奥まで、律儀に届けてくれるとは限らないんです。効果が薄く出るのは、チラシの出来だけが原因ではなく、この配られ方そのものに理由があるわけです。業者の数字だけを見ていても、この事情は見えてきません。

近隣エリアから、まず自分で配ってみる
では、どうすればいいのか。私が伝えた原則はいたってシンプルです。近隣のエリアから、まず自分の足で1回配ってみてください。そうすれば、業者の束投函を挟まない、混じりけのない反応率が見えてきます。
自分で配れば、どの家に届けたか、どんな場所を避けたかも、自分自身で把握できます。ここで初めて、「チラシの中身が弱いのか」「配り方や届け方に問題があったのか」の切り分けができるようになるんです。業者から上がってくる数字だけを見て一喜一憂しても、この切り分けはできません。手間はかかりますが、この一回のテストが、その後の判断すべてを支える土台になります。
施策の良し悪しは、テストしてから判断する
このやり取りから見えてくるのは、マーケティング施策の効果測定は、必ず自社でコントロールできる条件で実施する、という基本です。地味に聞こえるかもしれませんが、これが基本中の基本なんです。
外注先の都合で結果が左右される状態のまま、「効果があった」「なかった」を判断するのは危険です。まず自分でテストして、真の反応率という土台を作ります。そのうえで、業者に依頼した数字と比べてみる。この順番を踏まないと、外注先の事情まで含めて「自社の施策の結果」だと誤解してしまいます。逆に言えば、この順番さえ踏んでおけば、チラシをやめるべきか、業者を変えるべきか、配り方を変えるべきか、原因ごとに手を打てるようになります。
おわりに
業者に依頼したポスティングの反応が薄いとき、責めるべきはチラシの中身とは限りません。まず自分の足で1回配ってみて、混じりけのない反応率を測ります。そのうえで、業者委託の結果と比べて、何が原因かを切り分けていく。この順番を守るだけで、判断の精度がまるで変わってきます。
数を外に出す前に、まず小さく自分でテストする。地味ですが、これが遠回りに見えて一番早い進め方です。自社のチラシ、自社のポスティング、反応率をどう測ればいいのか。一人で判断が難しいときは、一度、あなたの集客の現状を一緒に整理させてください。
