チラシやダイレクトメール(ニュースレターやセールスレター)を作っていると、伝えたいことが次から次へと出てきます。
新しく始めたサービスのこと、季節のご案内、お客様に喜んでいただいたこと。
せっかく紙代も印刷代もかけて出すんだから、あれも載せておこう、これも書いておこう。
そうやって書き足していくうちに、1枚の紙がどんどん埋まっていくんですよね。
経営電話相談でも、この悩みは本当によく伺います。
伝えたいことが多くて、1枚に全部入れてしまう。
入れたはいいけれど、これで本当に伝わるのか不安になる。
同じご相談を、先月から6人の方からいただきました。
みなさん、真面目に商売をされている方ばかりです。
お客様に知ってほしいことがたくさんあるからこそ、詰め込んでしまうんです。
ただ、残念ながら、詰め込んだ分だけ反応が増えるわけではありません。
むしろ反応は下がっていきます。
今回は、なぜそうなるのか、そして削った話をどこへ持っていけばいいのかについてお話しします。
セールスレターに、本題とは別の話も入れていいのか
ある方から、セールスレターについてご相談をいただきました。
本題のご案内はもう決まっている。
そこに、不用品の引き取りのような別のテーマも一緒に入れていいだろうか、というご相談です。

お気持ちはよく分かります。
どうせ封筒に入れて送るなら、ついでにもう一つお知らせしておきたい。
送る手間も費用も同じですから、1通で2つ伝われば得をした気がしますよね。
でも僕は、テーマは1つに絞ってください、とお伝えしました。
別のテーマは、同じセールスレターに混ぜない。
不用品の話をしたいなら、それは別の機会に、そのためだけのお知らせとして出せばいいんです。
セールスレターを受け取ったお客様の側に立ってみてください。
本題のご案内を読み始めたところで、途中から不用品の話が始まる。
お客様は、このセールスレターは結局何の案内なのかをつかめないまま、読み進めることになります。
書いた側にとっては2つとも大事なお知らせでも、読む側にとっては、話がどこへ向かっているのか分からない手紙になってしまうんです。
なぜチラシの情報量が多いと、反応が下がるのか
広告の反応を下げる最大の原因は、内容が伝わらないこと、わかりにくいことです。
デザインが地味だとか、紙が安っぽいとか、そういうことよりも前に、まずここで反応を失っています。
話が1つなら、読み手はまっすぐ最後まで読めます。
ところが話が2つ、3つに分かれると、読み手はついていけません。
最初の話を理解しかけたところで次の話が始まって、また頭を切り替えないといけない。
チラシを手に取った方は、そこまで頑張って読んではくれません。
ぱっと見て分からなければ、そのまま次の紙へ手が伸びてしまいます。
作った側からすると、あれだけ一生懸命書いたのにと、がっかりしますよね。
でも実際には、伝えたいことを増やすほど、1枚の中では1つも伝わらなくなっていくんです。
だから、ストレートに、読みやすく、1つのテーマで1つのことだけを言う。
ワンイシュー・ワンメッセージという言い方をします。
1枚の販促物で扱うテーマは1つ、そこで言うことも1つ。
この書き方が、反応を上げてくれます。
腰痛講座の案内文を直したいというご相談のときも、本当に伝えたいこと以外は削ぎ落として、焦点を絞ってください、とお伝えしました。
扱う中身が違っても、返す答えはいつも同じなんですよね。
削った話は、どこへ持っていけばいいのか
とはいえ、削ってくださいと言われても、もったいないと感じる方は多いと思います。
せっかく考えた内容ですし、どれもお客様に知ってほしいことです。
捨てる必要はありません。
削った話の行き先を、別に用意してあげればいいんです。
一つ目は追伸です。
伝えたいことが3つ重なったニュースレターのご相談を受けたときも、本文は絞り込んで、補足は追伸に回してください、とお伝えしました。
本文の流れは崩さずに、どうしても添えたいことだけを最後にひと言置く。
読み手は本文を読み終えてから追伸に目をやるので、話が途中で割り込むことがありません。
二つ目は、別に出すことです。
情報量の多いお知らせの記事を、もう作ってしまっているという方もいらっしゃいました。
その記事はそのまま別に公開しておいて、告知のほうは、定期的に開催しています、というくらいのシンプルな形から始めてください、とお伝えしました。
詳しく知りたい方は記事を読めばいい。
告知は、その記事があることを知らせるだけで十分です。
それでも、お知らせを別々に出すとダイレクトメールの数が増えるので、1通でもう少し多くのことを伝えたい、という方もいらっしゃると思います。
そのときは、テーマを増やすのではなく、1つのテーマについて伝える中身を増やしてください。
先ほどのセールスレターの方には、本題を1つの工事に絞ったうえで、その工事の施工事例を中心に据え、手がける職人の紹介と、その工事でどこまで対応できるかを添える形をご提案しました。
どの記事も同じ工事の話なので、読む方が途中で迷うことはありません。
施工事例と職人の顔が見えると、お客様も、ここに頼んで大丈夫かどうかを判断しやすくなります。
文章で全部説明しようとしていませんか
テーマを1つに絞ったあとも、まだ気をつけたいことがあります。
それは、文章で全部説明しようとしてしまうことです。
特典や割引の内容を、細かい条件まで文章で書き込んでしまう。
これも結局は、情報量を増やしているのと変わりません。
キャンペーンの案内のご相談では、特典は文章で細かく説明しすぎずに簡潔にして、デザインで理解を補ってください、とお伝えしました。
掲示用のポスターを作るというご相談でも、キャッチコピーを中心にして文章を減らし、写真を大きく使ってください、という方向でまとめています。
文章で伝えきれない分は、写真やデザインに任せていいんです。
写真を見れば分かることを、何行もかけて書く必要はありません。
では、文章では何を言えばいいのか。
広告で言うのは、何をするのかと、それでお客様がどうなるのかです。
情報が多すぎて訴求が弱いというご相談を受けた広告でも、何をするか、どうなるかに絞って、あとは料金と連絡先だけにしてください、とお伝えしました。
読む方が知りたいのは、結局そこなんですよね。
次にチラシやダイレクトメールを作るときには、まず言いたいことを全部書き出してみてください。
その中から1つだけ残して、残りは削るか、追伸か次の号に回す。
同じ紙でも、お客様への伝わり方がきっと変わってきますよ。
