RMMSには社長の実行力サポートという伴走があって、専任のスタッフが週に1〜2回、社長と一緒に日々の実行を確かめています。
先日、その打ち合わせに僕も入ったときに、ある会員さんが新商品の話をされました。
商品の中身は今日は置いておきます。
面白かったのは、その先なんです。
新商品の話をしているうちに、話題が商品そのものから、進め方のほうに移っていきました。
名前だけ先に決まって、あとは走るだけになっている。
「ありがちですよね」
「ありがちですね」
二人でそう言って笑いました。
商品がどうこうという話ではなくて、プロジェクトの進め方がありがち、という話です。
やらない方がいいと分かっていながら、いろんなことでそうなってしまう。
分かっていてもやってしまうから、ありがちなんですよね。

ここで僕、人の話として聞いていられなくなりました。
「分かりやすい名前だけ先行して、とりあえず決めるみたいな。僕そういうとこあるんで、よく分かります」
そう言ったら会員さんが笑うんです。
「こういう話すると毎回島田先生が、僕そういうところあるんでって言ってくれます」
毎回言ってるらしいです。
自分では初めて白状したつもりだったんですけどね。
で、白状ついでにうちの話をしました。
うちの社員さんなんか、いい迷惑ですよ。
僕だけで決めていることを、「やるから」って言う。
言われた側は「何を?」ですよね。
これ、よくあります。
勝手に何とかプロジェクトと名前だけ付けて、その名前が先行して走り出す。
打ち合わせで説明するのは3分くらいです。
社員さんからすると、もうちょっと情報くれ、なんですよ。
でも渡せる材料が全然ない。
全然ないのに、うちの社員さんはもう走ってくれてる。
そして終盤になって、こう聞かれるんです。
「最後どうなったらいいんでしたっけ」
「正解はどれでしたっけ」
基本、毎回それです。
会員さんは笑いながら「かわいそう」とおっしゃってました。
笑い事じゃないんですけど、笑うしかないですよね。
なんでこうなるのかを、自分で考えてみました。
名前を決めた時点で、社長の頭の中には絵ができているんです。
こんなお客様に、こんな形で届いて、最後はこうなる。
その絵があるから、名前が付いた瞬間に、もう始まった気になります。
ところが社員さんに渡ったのは、看板だけ。
看板の裏側にある絵は、社長の頭の中にしかありません。
社員さんは看板を持って走りながら、その絵を想像で描いていくことになるんです。
想像で描いているので、進めば進むほど、社長の絵とズレていきます。
だから終盤で「正解はどれでしたっけ」になるんですね。
これは社員さんの理解力の問題ではなくて、僕が渡していないだけの話です。
考えてみたら、名前というのは中身を一言に縮めたものですよね。
縮める前の中身を持っている人にとっては、名前だけで全部が思い出せます。
持っていない人にとっては、ただの言葉です。
その言葉を渡して「やるから」と言われたら、走るしかない。
走ってから、渡されたのが言葉だけだったと気づくんです。
じゃあ、名前より先に何を渡すべきか。
それは「最後どうなったら終わりか」だと思っています。
社員さんが終盤に聞いてくるのがまさにそれで、つまり最初に一番欠けていたものがそれなんですよね。
どんな状態になったらこのプロジェクトは終わりなのか。
何ができていたら正解なのか。
これを名前より先に、社員さんに渡しておく。
説明が3分しか取れないなら、その3分を名前の説明ではなく、終わりの姿の説明に使う。
名前はあとから、社員さんと一緒に付けたっていいんです。
僕もこれを毎回言ってるらしいので、偉そうなことは言えません。
ただ、社員さんに「正解はどれでしたっけ」と聞かれたことがある社長さんは、多分僕と同じ癖をお持ちです。
次に「あれ、やるから」と言いそうになったら、その前に一つだけ、最後どうなったら終わりかを口に出してみてください。
