「ロゴや看板、地図に出るアイコンが、なんだかしっくりこない」。こんな感覚、心当たりのある社長さんも多いのではないでしょうか。
自分では気に入って作ったはずなのに、地図で見るとなぜか他店と同じように見えてしまう。埋もれてしまって、目立たない。もどかしいですよね。
何度か作り直してみても、やっぱりしっくりこない。そういうとき、原因はセンスの問題だと思い込んでしまいがちです。ですが、実はもっと単純なところに答えがあります。
先日の問題解決ワークでも、ある店舗の社長さんから、まさにこの相談がありました。今日は、その場で私が整理した内容を、開催レポートとして紹介します。
地図のアイコンは、なぜ他店と同じに見えてしまうのか
相談の内容はシンプルでした。ゼンリンやGoogleマップに載る店舗アイコンが、しっくりこない。ロゴを工夫しても、なぜか他店に埋もれてしまう、というものです。
ここでまず確認したのが、地図上のアイコンの仕組みです。地図のアイコンは丸く切り抜かれ、文字も白抜きになりがちです。ですから、どんなに凝った組み合わせを作っても、結局は他店と似たり寄ったりになってしまうんです。マークやロゴマークで勝負しようとするほど、かえって埋もれてしまう。これが前提として共有されました。
私の提案は「おしゃれを全部捨てて、視認性に振り切る」
この前提を踏まえて、私はこう伝えました。「おしゃれを全部捨てて、視認性に振り切りましょう」と。
マークやシルエット、たとえば建物のイラストのような装飾は、思い切って手放していい。色ベタに文字だけで、十分なんです。おしゃれなロゴを目指せば目指すほど、小さな地図表示の中では、逆に何も伝わらなくなってしまいます。地図のアイコンで大事なのは、美しさではなく、認識のしやすさです。
道路標識を思い浮かべてみてください。装飾を凝らした標識より、色と形がシンプルな標識のほうが、遠くからでも一瞬で意味が分かりますよね。地図のアイコンも、考え方はこれと同じです。小さな面積の中で、瞬間的に「あの店だ」と認識してもらう。それが目的である以上、情報を足すより減らす方向で考えたほうが、答えに近づきます。
「見える」ロゴの作り方は、実はシンプルです
具体的な作り方も、その場で整理しました。
まず、面積を使い切ること。要素を絞って、限られたスペースいっぱいに大きく見せます。屋号は横一列に並べ、必要なら「老舗」のような一言を上に立てて、屋号そのものを太字で大きく配置する。それだけで、視認性はぐっと上がります。

地図表示は白抜きが前提になるので、地色は紺・赤・黒といった濃い色に限られます。白抜きの文字をはっきり見せることが前提だからです。
参考になる実例として、視認性の高いある看板ロゴの話も出ました。今すぐ全面的にそのスタイルへ寄せるのは難しくても、視認性を最優先するという方向性なら、すぐにでも取り入れられます。
そして、制作の進め方についても触れておきます。事務の担当者が小技を凝らして作り込むより、色と文字だけをシンプルに指定してリクエストすれば、それで足ります。凝ったデザインを追いかけるより、何を伝えるかを絞り込む判断のほうが、よほど大事なんです。
なぜ「おしゃれ」より「視認性」が正解なのか
地図のアイコンは、一瞬で判断される場所です。お客様は、地図上のアイコンをじっくり眺めてくれません。ぱっと見て、そこにお店があると認識できるかどうか。それだけで判断されます。
おしゃれさは、認識してもらったあとの話です。まず見えること、まず気づいてもらうことが先にあって、はじめておしゃれさが意味を持ちます。この順番を間違えると、せっかく作ったロゴも看板も、誰にも気づかれないまま埋もれてしまうんです。
チラシや広告のように、じっくり読んでもらえる媒体なら、世界観やデザイン性を重視する場面もあります。ですが、地図のアイコンは、そういう媒体とは前提が違います。お客様はすでに「行こうかどうしようか」と迷いながら地図を眺めていて、そこで目に留まるかどうかが勝負なんです。媒体ごとに、優先すべき順番があります。
おわりに
ロゴや看板が埋もれてしまう。地図のアイコンがしっくりこない。そんなときほど、足し算ではなく引き算で考えてみてください。マークを足すのではなく、色と文字だけまで削ぎ落として、視認性に振り切る。それだけで、見え方はがらりと変わります。
自社のロゴや看板、地図アイコンは、いま何を優先して作られていますか。おしゃれさが先に立っていないか、一度見直してみると、改善のヒントが見つかるはずです。まずは自社の地図アイコンを、実際に地図アプリで表示させて確認してみてください。他店と並べたときにどう見えるか、そこから逆算して考えると、直すべき箇所がはっきりします。
一人で判断が難しいときは、問題解決ワークのように、他の社長さんの視点を交えて整理するのも手です。よかったら一度、あなたのロゴや看板の見え方を、一緒に整理させてください。
