「既存のお客様に、もう一度買っていただきたい。でも、キャンペーンや割引をつけないと動いてもらえない気がする」。こんな感覚、心当たりのある社長さんも多いのではないでしょうか。
キャッシュバックやセット割は、たしかに反応します。ですが、それは多くの場合、来年のお客様に前倒しで来てもらってるだけなんです。値引きに頼らず、それでも一番反応してくれる案内があるとしたら、知りたくないですか。
以前の問題解決ワークで、ある施工業の社長さんから、まさにこの相談がありました。今日は、その場で私が整理した内容を、開催レポートとして紹介します。
「反応率No.1」の答えは、値引きでもキャンペーンでもなかった
相談の内容はシンプルでした。ハガキDMの反応をどう上げるか、割引なしで既存のお客様に動いてもらう方法はないか、というものです。
私はこう答えました。反応率がいちばん高いのは、実は「定期メンテナンスのお知らせ」なんです、と。
理由は単純です。いつ納品したかの記録が、こちらの手元にあるから。「30ヶ月が経過しました。当社では40ヶ月目以内の点検をお勧めしています」。これを、点検時期の案内として送るだけで反応します。売り込みではなく、お客様の持ち物を心配する連絡だからです。
申し込みはQRコードで自動に、訪問は「ただの点検」でいい
具体的な作り方も、その場で整理しました。
申し込みは、葉書に載せたQRコードから日時とお名前を入れてもらい、自動で受け付ける形にします。件数が多いなら自動、少なければ手書きの返信でも構いません。LINE公式でも構わないんです。
訪問の名目は、点検だけでいい。無料とも有料とも言わず、まず見るだけで十分です。手ぶらで帰ってもいいくらいの構えで訪問し、その場で「他にお困りのことはございませんか」を、今日は5回言うと決めて回る。次の相談は、点検の中で自然に出てくるものだからです。職人が手すきの時期に回せばいいので、忙しい時期を圧迫することもありません。

ハガキが効くのはなぜか。ニュースレターとの違い
後日のセミナーで、同じ社長さんから続報の相談がありました。ハガキに書く内容は、点検しないとどうなるか、どういう点検をするか、この2点さえ伝われば十分です。車検の案内と同じくらいシンプルでいい、というのが結論でした。
金額の話も不要です。無料の点検なのですから、あえて書く必要はありません。
もう一つ大事なのが、ニュースレターとの違いです。ニュースレターは全員に送っていることがお客様にも伝わってしまい、特別感が薄れます。一方でハガキは「あなただけに」という印象を作れます。同じ既存客フォローでも、使い分けが要るということです。
電話なら5件に1件でいい。フロントの先を考えておく
葉書と組み合わせて、電話も使えます。忙しい時期でなければ、電話をすれば確実に当たります。「先日は工事をさせていただき、ありがとうございました。その後いかがですか。不具合はありませんか。点検の時期に差し掛かっておりまして」という切り出しで十分です。5件電話して1件くればいい、というくらいの気楽さで、行くこと前提で話した方がいいんです。
繁忙期に無理に動かす必要はありません。暇な時期にこそ、こうした電話や訪問を回して、忙しさの波を平らにしていく。そういう考え方です。
私自身、以前は別の商材の点検電話をしていました。訪問して「他にお困りのことはございませんか」と聞くと、思わぬ別の仕事が出てくるものです。職人には、訪問先で出されたお菓子を報告させていました。出していただければ長居させていただくことになりますし、長居すれば話も出てくるからです。
大事なのは、最初に納品した商品にしがみつかないことです。次に何を買っていただくかを、フォローの段階から考えておく。それだけで、既存客からの再受注も、キャンペーンに頼らず動き出しやすくなります。
おわりに
割引をやめられない、という悩みは、実は「連絡の名目」の問題かもしれません。値引きではなく、点検の案内として送る。手ぶらで帰ってもいい構えで訪問する。それだけで、反応は変わります。
自社の既存客フォローは、いま何を名目に送っていますか。キャンペーンだけに頼っていないか、一度見直してみると、次の一手が見えてくるはずです。
一人で判断が難しいときは、問題解決ワークのように、他の社長さんの視点を交えて整理するのも手です。よかったら一度、あなたの既存客フォローの設計を、一緒に整理させてください。
