「主力商品の説明をすると、どうしても長くなってしまう。金額も安くはないし、今すぐ買ってもらう理由も伝えにくい」。そんな社長は、少なくないと思います。
広告やチラシに手を打っても、なかなか新規につながりません。もどかしいですよね。商品には自信があるのに、初めて会う人には伝わりにくいんです。
専門性の高い商品や、工事に近いサービスほど、この傾向は強くなります。仕組みや効果を一から説明しないと魅力が伝わらないぶん、初めて会った相手にその場で興味を持ってもらうのは、簡単なことではありません。
2025年7月の集客セミナーで、私は新規が取れない商品についてこう言い切りました。「異業種交流会ですら引っかかってる、興味を持ってもらえる商品じゃないと、そこで売れるわけないですよ」。今日は、そのときの開催レポートとして、売れる商品の条件と、入口商品のつくり方を紹介します。
異業種交流会という、一番厳しい審査
異業種交流会は、様々な業界の経営者が集まる場です。参加者は基本的に「売り込まれたくない」という警戒心を持っています。ですから、売り込み色の強い商品は、そもそも敬遠されるんです。
セミナーのレジュメでも、異業種交流会向けの「30秒プレゼン」という型が扱われていました。短い時間で、自己紹介を兼ねて自社の商品を紹介する場面が多いということです。時間が短いぶん、商品の魅力がすぐに伝わるかどうかが、そのままシビアに試されます。

裏を返せば、そこで少しでも興味を持ってもらえるかどうかは、商品そのものの魅力を映す、一番厳しい審査になります。個人的な関係よりも先に、商品自体に魅力がなければ、話すら聞いてもらえません。人脈づくりが得意かどうかより先に、商品の設計そのものが問われているんです。
売りやすい商品には、3つの条件があります
セミナーの学びとしてまとめられたのが、異業種交流会で成功する商品の3条件でした。誰にでも関係があること。国の制度で裏付けがあること。そして緊急性があること。この3つです。
誰にでも関係があれば、業種の壁を越えて興味を持ってもらえます。国の制度で裏付けがあれば、初対面でも話に信頼が生まれます。そして緊急性があれば、「また今度でいいか」と後回しにされずに、その場で耳を傾けてもらえるんです。
当日は、この3条件がそろった例として、省エネ提案のトークが紹介されました。「実は今国の補助金で、ただでこんなメリットがあるんです。先月も3人ぐらいが申し込まれて、みんなうまくいってるんですよ。でも補助金なくなるんで急いでくださいね」。これは実際の成果を報告したものではなく、その場で興味を引くためのトーク例として示されたものです。電気代という誰にでも関係がある話に、国の補助金という裏付けと、なくなる前にという緊急性が重なっています。3条件がそのまま重なっているから、初対面でも話を聞いてもらえるんです。
入口商品と本命商品を、分けて設計する
ここで問題になるのが、主力商品そのものが、この3条件と真逆になりやすいということです。従来からの主力商品は、説明に時間がかかり、メリットが伝わりにくく、緊急性を感じにくいうえに、価格も高めになりがちです。省エネ提案のトークと並べてみると、条件が見事に裏返っているのが分かります。

セミナーには、今の主力商品の先行きに不安を感じている参加者の方もいました。そこで示されたのは、主力商品一本で新規を取りにいくのをやめる、という発想です。まずは3条件を満たす取っつきやすい商品で関係をつくり、そのあとで本業の商品を勧めればいいんです。新規開拓は入口商品に任せ、信頼関係ができてから本命を提案する、という逆転の発想です。
入口商品と本命商品は、同じである必要はありません。関係ができてしまえば、説明の長さも、価格も、緊急性のなさも、もうそれほど大きなハードルにはならないんです。入口で興味を持ってもらい、本命でじっくり売る。この分業が、新規の取れ方を変えます。商品を入口と本命に分けて設計する視点は、RMMSのスクールでも土台になっている考え方です。
おわりに
新規が取れないと感じたら、まず疑うべきは集客の量ではなく、商品そのものです。異業種交流会ですら興味を持たれない商品は、広告を強化しても、急に売れるようにはなりません。
売りやすい商品の3条件は、誰にでも関係がある、国の制度で裏付けがある、緊急性がある、の3つでした。主力商品がこの条件から遠いなら、無理に一本で戦わず、入口商品と本命商品を分けて設計してみてください。
まずは、自社の商品ラインナップを紙に書き出して、この3条件に当てはまるものがあるかどうかを確認してみてください。もし一つも当てはまらないなら、それは主力商品の魅力がないという話ではなく、入口として機能する商品が、まだ用意できていないというだけのことです。
自社の商品の中で、何を入口にして、何を本命として残すか。一人で切り分けるのは難しいところなので、よかったら一度、あなたの商品ラインナップを一緒に整理させてください。
