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チラシを撒く日を、自分の手が空いている日に合わせてしまっている経営者の方へ。

チラシを配るなら効果が5倍以上になるこのタイミングで配って下さい

3000枚配って3件だった人と、932枚で5件返ってきた人がいます。5倍以上の差です。違ったのは紙の中身ではなく、撒いた日でした。お客様が動いている時期に置くという原則と、自分の商売の月を自分で数えるやり方の話をします。

店先で分厚い新聞の束を抱える店主と、無地のチラシを積んだ配達自転車を描いたイラスト

「ライバルが少ない方が、うちのチラシは目立つんじゃないですか」

広告の講座でこの話をすると、毎回どなたかがおっしゃいます。気持ちはわかるんです。でも逆なんですよね。

先にお断りしておくと、僕はデザインの専門家ではありません。きれいなチラシを描く腕もない。配色のセンスもたぶん人並み以下です。できるのは、返ってきた数を数えることだけ。

てなわけで、今日はその数え方の話をします。

同じチラシで、返ってくる数が5倍違いました

3000枚配って、返ってきたのは3件でした

電話相談で、ある会員さんがポスティングの結果を持ってこられました。

3000件配りました。返ってきたのが3件。売上は30万円。

3件で30万なので、一件あたりは決して小さくありません。ただ、3000枚に対して3件ですよ。0.1%です。

先に言っておきますけど、この数字、実際そんなに悪くないんですよ。3000枚配って30万返ってきてるんですから。折込のほうは毎回50万から100万かけてるという話も、そのとき一緒に出ました。それに比べたら、ポスティングで30万は悪い話じゃありません。

932枚で5件返ってきた人もいます

別の方の数字です。

932件で5件。売上は93万円でした。

枚数は3分の1以下ですよ?なのに返ってきた件数は多い。0.54%。

さっきの0.1%と並べてみてください。5倍以上あいてますよね。

さっきの数字が悪いんじゃないんです。こっちが、すごすぎるんですよ。同じ紙を配る商売で5倍。広告をやっててこれだけの差がつくことって、そうそうありません。

二種類のチラシを並べ、返ってきたハガキを二つの山に分けて数える店主のイラスト

違ったのは中身ではなく、撒いた日でした

じゃあチラシの出来が5倍違ったのかっていうと、そうじゃないんです。どちらも僕が見せてもらって手を入れたものですから。どっちかが名作でどっちかが駄作、なんて差ではなかった。

違ったのは、撒いた日です。

932枚のほうは、お客様が動く時期に合わせて出していました。3000枚のほうは、こちらの手が空いた時期に出していた。

これ聞いたとき、正直しばらく黙りました。だってみんな、紙の中身を良くすることに時間かけるんですよね。写真を替えたり、見出しを練ったり。僕もさんざん一緒にやってきました。それが5倍の前では、後回しでいい話になっちゃう。

くやしいですけど、そういうことです。

「閑散期のほうが目立つ」は、誰も数えていません

束が薄いほうが見てもらえる、という理屈

冒頭の反論、もう少し丁寧に見てみましょう。

チラシの折込枚数って、時期でずいぶん違いますよね。みんなが撒く時期は、新聞に分厚い束が挟まってきます。そうでない時期は薄い。だったら薄いほうに入れたほうが、自分のチラシは埋もれないはずだ。

筋は通ってます。僕も最初に聞いたときは、なるほどと思いましたもん。

比べた人に、まだ会ったことがありません

そこで、そうおっしゃった方に一つだけ聞くようにしてるんです。

「閑散期に撒いたときと、繁忙期に撒いたときで、返ってきた数はどれだけ違いましたか?」

これね、答えが返ってきたことが一度もありません。

そうなんです。比べてないんですよ。

束が薄いほうが目立つっていうのは、頭の中で組み立てた話であって、撒いて数えた結果じゃないんですよね。広告の世界では、これを仮説と呼びます。仮説そのものは悪くないです。まずいのは、仮説のまま印刷屋さんに入稿して、仮説のまま新聞屋さんに持ち込んじゃうほう。

言い換えると、確かめてない思いつきに50万から100万を賭けてる状態ですよ。怖くないですか?

あの分厚い束は、地域の広告主が出した答えです

ここでさっきの反論がまた顔を出します。一番混んでる日に入れてどうするんだ、と。何度も言われました。

でもですね。順番が逆なんです。

みんながその日に入れてるのは、その日に返ってくるからでしょう?返ってこないと分かってたら、あの束の厚さにはなりません。あちこちの会社が、それぞれ自分のお金を使って、何年もかけて試した結果があの厚さなんです。

避けて空いてる日に回るっていうのは、その集計を見ないで自分の勘を取るってことになりますよね。

撒くのは、お客様が動いている時期です

原則はこれだけです

お客様が動いている時期に置く。自分の手が空いてる時期じゃない。

原則、これだけなんですよね。

逆にやっちゃいけないのが、社内が暇だから今のうちにチラシでも作って撒いとこう、という決め方。それ、会社の都合であってお客様の都合とは全く関係ないですから。撒く日をこっちの空いてる日に合わせた瞬間に、反応の8割を失ってしまいます。

さっきの3000枚が、まさにそれでした。

例えば畳屋さんなら、7月上旬です

具体的にどうなるか、一つの商売で見てみましょう。

畳屋さんの場合、お盆に間に合わせたいお客様が動きます。お盆は8月13日から16日ですよね。そこから逆算して、7月上旬にハガキを出す。ある会員さんとは、実際にそう決めて動きました。

年末も同じで、新しい年を新しい畳で迎えたい方が11月から12月に動かれます。

だから畳屋さんにとっては、7月・8月と11月・12月が撒きどきになるわけです。

ただし。これは畳屋さんの暦ですからね。どの業種でも7月と11月が当たる、なんて話じゃありません。各業界の繁忙期を参考にされてくださいね。

あなたの商売の月は、あなたが数えます

別の商売の数字も並べてみましょう。

ある治療院で、健康講座を続けて開かれていました。参加者の実数がこうです。

  • 水曜日: 11名
  • 水曜日: 2名
  • 水曜日: 10名
  • 土曜日: 6名
  • 水曜日: 2名

(このほかに、水曜開催で6名の申込みが入りながら、大雪で中止になった回が1つあります)

同じ水曜日で、11名の回と2名の回がありますよね。曜日だけ揃えても、この差が出ちゃうんです。

僕はこの表を見て、曜日を当てにいくのをやめました。自分の商売で、いつ何件返ってきたかを数える。結局それしかないんですよね。

数えるって言っても、大げさな仕組みは要りませんよ。撒いた日と枚数と、返ってきた件数。この3つを、撒くたびに1行ずつ書いていくだけ。それだけです。

曜日も同じで、自分の商売で確かめます

一般には、チラシが最も多く折り込まれるのは土日です。束が一番厚くなる曜日で、それだけ返ってくるから厚くなってる。迷ったらここから試すのが早いですね。

ただしこれも、そのまま当てはまらない商売があります。

工事を伴う商売の方と話してたときのことです。土日は工事の指定が入りにくいって話が出ました。お客様が家にいる日ではあるけど、工事に来てもらう日としては選ばれない。その方の場合は、平日にどう入れるかを考えたほうが早かったんです。

だから土日が正解、と覚えて帰らないでください。最初に置く場所として土日から試して、あとは自分の数字で確かめる。そういう使い方をしてほしいんです。

撒く日と一緒に、数える段取りも決めてください

ここまでの話、結局のところ一つなんです。

撒く日を決めるとき、同時に「何を数えるか」を決めておく。撒いた日、枚数、返ってきた件数。これを書く場所を先に作っておかないと、後からじゃ絶対に思い出せません。

数えていない会社は、次に撒くときも勘で決めることになりますよね。勘で決めて、また数えない。これ何年も続けてると、20年やってても手元に1行も残ってない、なんてことが起こります。

経営と同じ原則ですね。やってみて、数えて、多かったほうを残す。広告だけ特別ってことはありません。

チラシの中身を良くする努力は、もちろん無駄になりませんよ。ただ、その前に撒く日がずれてたら、良くした分は5倍の差の中に沈んじゃう。順番としては、日を決めるのが先です。

次に印刷屋さんへ入稿する前に、撒く日と、数える3項目。そこだけ決めてから発注してください。