コラム一覧に戻る

設備は入れたのに、新しいサービスが動き出していない方へ。

新事業が動き出さないときの最初の一歩。売る前に、無料で試してもらう5人を探します

補助金で導入した布団・ベッドマット洗浄の設備が、開店休業になっている。実績報告に書くことがなくて後ろめたい。そういう相談を問題解決ワークで受けました。答えは集客ではありません。売る前に、無料で試してもらえる5人を探すところからです。

導入したばかりの機械の前で、動き出せずに立っている経営者を描いたイラスト

「補助金で機械は入れたんですが、開店休業なんです。」

これ、しんどいですよね。実績報告に書くことがなくて後ろめたい、というところまで含めてのご相談でした。

今回は、その場でお答えした最初の一歩の話です。集客の話は出てきません。

新しいサービスは、売る前に渡すものがあります

先に、なぜ動き出さないのかを整理します。

動かないのは、集客の問題ではありません

新事業が動かないと、たいていの方はチラシやSNSを考えます。知られていないから売れないんだ、と。

でも、この相談で止まっていたのはそこではありませんでした。自分以外がやっても同じ仕上がりになるのか、そこに不安が残っている。洗い方のマニュアルは作ってある。それでも、渡していいという確信が持てない。

そうなんです。売る準備ができていないのに、売る話から始めようとすると、手が止まります。止まるのは慎重だからで、性格の問題ではありません。

最初に集めるのは、売上ではありません

じゃあ何から始めるのかって話ですよね?写真と、お客様の声です。

新しいサービスには、見せられるものが何もありません。やった証拠がない。喜んだ人がいない。その状態で売ろうとしているから、こちらも自信がないし、相手も判断できない。

だから最初に集めるのは、売上ではなく素材です。施工の写真。できれば動画。そして、使ってみた人の言葉。これが揃って、はじめて売る話が始まります。

補助金をもらった以上は、やり切る

もうひとつ、これは前提として申し上げました。補助金をもらった以上は、やり切ります。

厳しく聞こえるかもしれませんが、逆です。やり切ると決めてしまったほうが、迷いが減って楽になります。撤退の可能性を残したまま片手で進めるのが、いちばん消耗しますから。

なぜ「5人」なのか

今回いちばんお伝えしたいのは、この5人という数字なんです。

数を集めようとした瞬間に、話が止まります

モニターを募りましょう、というと、たいてい人数の話になります。何人集めればいいのか。どうやって募集するのか。

そこを考え始めると、動かなくなるんです。募集の告知を作らないといけない。何人来るか分からないから、受け入れ体制も決められない。そうやって準備が増えていって、結局その月は何もしないまま終わる。

だから人数を先に固定します。5人です。5人と決めた瞬間に、告知の話が消えます。

頼めるのは、顔が浮かぶ人だけです

当日、僕はこう聞きました。

「お客さんの中で『ただでもいいから感想を聞かせてください』って渡してくれる典型的な人、5人いますか」

これは募集の話ではありません。名前と顔が浮かぶ人を、5人書き出せますか、という話です。いるなら、個別に頼んでいい。

ちなみに、この手の相談では喋っているうちに件数が増えることがよくあります。5人と言いかけて、7件になっていたりする。悪気があるわけではなくて、話しているうちに気持ちが乗ってくるんですよね。

ただ、ここは正直に数えたほうがいいです。盛った数で計画を立てると、あとで自分が苦しくなりますから。

頼み方は、全部ぶっちゃけていいです

最後は、実際の頼み方です。

既存のお客様にDMを送ります

まず、既存客にDMを送ってモニターを募ります。新規は要りません。新しいことをやっているのを知ってもらう意味でも、まず既存のお客様からです。

台本はこれだけです

そのあとの個別のお願いは、こういう言い方でいいとお伝えしました。

新事業を始めたんですけど、商品の内容やクオリティがお客様に合ってるか確かめたいんで、1回やらせてもらっていいですか。費用はいりません。その代わり施工の写真を撮らせてください

隠しごとが一つもありません。新しく始めたこと、確かめたいこと、写真がほしいこと。全部そのまま言っています。

うまいことを言おうとすると、かえって怪しくなるんですよね。無料には理由が要ります。その理由を正直に言えば、それで通ります。

なお、預かる日数は長めに伝えてください。1週間くらいでいいと思います。急いで返そうとして仕上がりが落ちるのが、いちばんもったいない。

本当の目的は、返したあとにあります

ここは案外見落とされます。

写真を撮ることが目的だと思って進めると、渡して終わりになります。本当の目的は、そのあとです。

返したあとに、率直に聞いてください。今後どこをどう改善したらいいか。何件か取ると、だんだん見えてきます。

聞くのは怖いです。自分が良いと思ってやったことに、点数がつくわけですから。僕もそういう場面では逃げたくなります。

でも、この5人は、お金を払っていない分だけ本当のことを言ってくれる人たちです。売り始めてからでは、もう聞けません。不満を持った人は、黙って離れるだけですから。

あれもこれもと手を広げると、結局どれも進まないんですよね。集客も、価格も、名前も、あとで決められます。まずは5人の顔を紙に書き出すところから始めてください。

束ねた案内を一人ずつに手渡し、5人が受け取っている様子を表したイラスト