先日、大阪で開いた1dayセミナーでのお話です。
後半は、参加された方の相談を順番に解いていく時間にしています。
その中で、ある会員さんからこんな相談をいただきました。
「情報がわからないんですよ」
現場の情報が、社長のところに入ってこないというお悩みです。
お客様のお宅に行くのは社員さんで、そこで何を言われたのか、どんな判断をしたのか、社長は見ていません。
せっかく現場で起きていることが、どこにも残らないまま流れていってしまうんですね。
そこでこの会員さんが考えたのが、見積もりに行ったときに決まった文章に沿って社員さんに書いてもらい、それを社長に提出してもらう方法です。
「紙を渡すだけでいいので」
今は毎日、社員さんのところへ聞きに行かないといけないし、それが面倒で手間がかかる、とおっしゃっていました。
これ、うなずいてる社長さん多いんじゃないでしょうか。
で、その紙にどういう項目を入れればいいのか、というのがご質問でした。

僕も、その形でいいと思いました。
質問リストを用意して、社員さんに記入してもらえばいいんですよね、と確かめると、「そうです」とのことでした。
現場に行った社員さんが、お客様のところで見たこと聞いたことを、その紙に埋めていきます。
書き終えたら社長に提出してもらいます。
聞きに行く仕事が、受け取る仕事に変わります。
「ちょっと多めに書きますね。」
そう言って、その場で項目を書き出していきました。
例えばこんな項目です。
「お客さん本人が誇らしいと思っているもの」
「例えば子供のトロフィーがいいとか」
「盆栽にこだわってるとか」
「なんか、こだわってるところって必ずあるじゃないですか」
こういう話は、後から社長が社員さんに聞いてもまず出てきません。
その場にいた人が、その場で書き留めるから残るんです。
書き終わったところで、会員さんから質問が出ました。
「この中で自分が情報を取るのは全部ですか?」
「特に取ってほしいのが」「丸付けますね」
丸を付けたのは、お客様のお悩みと、取った解決策と、お客様の感想です。
「この3つが特に重要です」
ここで、なぜ現場の話が社長に入ってこないのか、少し整理しておきますね。
理由はシンプルで、現場に出るのは社員さんだからです。
見積もりも施工も社員さんが行くなら、社長はその場にいません。
いないところで起きたことは、誰かに聞かないと分かりません。
じゃあ毎日聞けばいいじゃないか、となるんですが、これがどうにも面倒で手間がかかるんですよね。
社員さんは社員さんで次の現場があり、社長は社長で自分の仕事を抱えています。
そこへ毎日「今日どうだった?」と聞いて回るのは、正直しんどいですよね。
だから、代わりに紙を渡して、社員さんの側から書いて出してもらいます。
社長が動かなくても、現場の情報が向こうから上がってくる形にするわけです。
では、その1枚に何を書いてもらうか。
僕は仕事の流れに沿って項目を並べました。
まず、お客様のお宅にうかがったときのことです。
さっきの誇らしいと思っているものに加えて、現状のお悩みを聞いてきてもらいます。
何に困ってうちを呼んでくださったのか、ここが抜けると話が始まりません。
次に、技術判断です。
現場で見つかった施工上の問題点と、それに対してとった解決策を書いてもらいます。
社員さんが現場で何を見て、どう手を打ったか。
ここは書いてもらわないと、社長には見えないところです。
最後に、施工後です。
お客様のご感想と、課題解決のその後です。
終わったあとにお客様が何とおっしゃったか、困りごとはちゃんと片付いたか、そこまで書いてもらいます。
訪問から施工後まで、この順番で社員さんに埋めていってもらうんです。
それと、この紙には情報を溜める以外の役目もあります。
「これ見ればちゃんと最後まで行けるよね」
「っていうのが全部書いてあって」
項目が仕事の順に並んでいるので、埋まり具合を見れば、最後までちゃんとやれたかの確認にもなるんです。
施工後の欄が空いていれば、ご感想をまだ聞いていないということですから。
情報を溜める紙と、仕事の抜けを見る紙が、同じ1枚で済みます。
丸は3つ付けましたが、本音を言うと全部欲しいです。
「全部欲しいですけどね」「取れるだけ欲しいですけどね」
「全部データに入れておけばいいんですよ」
溜めておく場所というのは、AIに読ませるために現場の話を入れておく場所のことです。
同じ日に別の会員さんにもお話ししたんですが、「お客さんの商談のメモは」「ブログに一発なっちゃいますもんね」。
そこに入ってさえいれば、要るときに要るぶんだけ取り出せます。
入れておかなかった話は、あとから思い出そうとしても出てこないので、取れるだけ全部、まず入れておくんです。
その入口が、社員さんに渡す紙の1枚です。

