売上を上げたい。そう思ったとき、多くの人がまず集客ツールに手を伸ばしますよね。チラシ、SNS、広告、予約システム。気持ちはよくわかります。でも、上位と下位を分けていたのは、じつはそこじゃなかったんです。
売上上位は年25件、下位はその3分の1でした
僕が関わっている、ある業種の経営者の集まりで、毎年アンケートを取っています。「この一年で、どんな取り組みをしましたか」。集客も、それ以外も、全部ひっくるめて数えるんです。
そうすると、はっきり差が出ます。売上上位の人は、年に平均24〜25件。月に2件のペースで、何かしら手を打っている。一方の下位の人は、平均8件ちょっと。ざっと3倍の差です(会員アンケート・上位平均24.6件対下位平均8.4件、2025年集計)。数だけ見ても、これだけ違うんですよ。
そして、ここがいちばん大事なところなんですけど、その24〜25件のほとんどは、集客ではなかったんです。

差がついたのは、いちばん地味なところでした
じゃあ、上位の人は何をそんなに数多くやっているのか。ふたを開けると、拍子抜けするくらい地味なんです。掃除、整理整頓、身だしなみ、動線の見直し。経営の言葉でいう「5S」みたいな、基礎の基礎ですよ。
「またこの話か」と思いますよね。華々しくないですから。こんなことで売上が上がるわけがない、と。ところが、上がるんです。しかも、こういう基礎ができていない現場ほど汚れているので、直せば伸びしろが大きい。むしろ伸ばしやすいんですよ。
上位の人は、この地味な一手を、月に2件のペースで淡々と積んでいます。じっさい、この基礎まわりの取り組みだけを数えても、上位と下位で2倍以上の開きがありました(上位36件対下位17件)。派手な必殺技を一つ探すより、地味な基礎を数多く積むほうが、結局は差になる。データは、そうはっきり言っているんです。
「広告を打ったらパーッと儲かった」の後で、店は壊れます
ここで、順番の話をさせてください。
集客から先に手をつけると、どうなるか。デジタル広告を打ったらパーッと儲かりました、とやると、店は壊れるんです。お客さんは増える。でも、中の仕組みが追いつかない。スタッフが消耗して、いちばん大事にすべきお客さんから抜けていく。振り返ると、もやもやした職場だけが残るんですよね。
だから、うちの周りでこれを勧める人は一人もいません。先に穴を塞いでから、水を入れる。順番が逆だと、入れた分だけ漏れていくんです。
そして、この「順番が大事」という話は、ネットで検索しても出てこない情報なんですよね。検索で上位に出るのは「これをやれば儲かる」という即効の一手ばかり。地味で、時間がかかって、順番を守れ、という話は、誰も検索しないし、バズらない。でも、本当に効くのはそっちなんです。
たった8施策で突き抜けた人も、土台は同じでした
「じゃあ、とにかく数をこなせばいいのか」というと、そこも少し違います。
じつは、たった8施策だけで突き抜けた成果を出した、例外の人がいます。上位平均の3分の1の数ですよ。数が正義じゃない、という証拠ですよね。
でも、その8施策の中身を見ると、筆頭はやっぱり基礎環境整備でした。掃除、整理整頓、身だしなみ。この人がすごいのは、「何をやらないか」をはっきり決められたことです。あれもこれもと手を広げず、効く基礎に絞って、確実にやりきった。逆に、やらないと決めたものもはっきりしています。プレスリリースやメディア露出といった広報、看板やチラシのような足し算の集客は、あえてゼロ。効くところにだけ、力を寄せているんですよね。
つまり、数が多い人も、少数で突き抜けた人も、土台は同じなんです。地味な基礎が、いちばん最初にある。順番も、優先順位も、そこは動かないんですよ。
先に「月2件やる体質」をつくる
まとめます。「何をやるか」を探す前に、まず「月に2件、何かやる」という体質を、先につくってほしいんです。しかも、その2件は派手な集客でなくていいんです。使わない棚を一つ空ける、掲示を一枚減らす、動線を半歩見直す。それくらいの小さな一手で十分。大事なのは中身の派手さではなく、「毎月、手が止まらない」という状態そのものだからです。
集客が効くのは、その体質ができあがった上でだけです。穴の空いたバケツに、いくら水を足しても溜まりませんからね。逆に言えば、順番さえ間違えなければ、あなたの現場にも必ず伸びしろがあります。
RMMSでは、この「集客の前にやる一手」を、月に2件のペースで一緒に積んでいく伴走をしています。何から手をつけるか迷っている方は、ぜひ一度ご相談ください。
