10月のRMMS 1dayセミナーでは、後半に商談のロールプレイをしました。
これはその振り返りの中で出てきた話です。
売る側に回ると、どうしても商品の情報を全部お伝えしようとしてしまいます。
全部の情報を伝えようとするから、話のペースがおかしくなるんですね。
本当は全部伝えるのは逆効果で、実際はお客様が欲しいものを聞いて「ありますよ」と言えば、それで話は済みます。
その流れで、「一番安いのでいいって言われてるんですけど」という質問がでました。
営業をしていると、この「一番安いので」は本当によく言われますよね。
言われた瞬間から、安いほうをどう避けてもらおうかと、頭の中で返し方を探し始めてしまう。
お客様のお宅に伺うたびにこの一言で身構えている方も、きっと多いんだと思います。

値引きの断り方を考えた瞬間に、口から出てしまう一言
「一番安いので」と言われると、つい安い商品のデメリットを言ってしまいます。
こちらは親切のつもりで、安いほうを選ぶと後で困りますよ、と説明しにかかります。
そうやってデメリットを並べるほど、お客様を言い負かしにいく構図になってしまいますよね。
これでは抵抗が生まれます。
お客さんを論破しない方がスムーズに話は進みますよね。
セミナーでは、こんな言い方をしました。
「お客様が値段の話をするのは、おならかゲップくらいに思ってください。その言葉に意味がないんですよ」
ずいぶん乱暴な言い方ですが、「一番安いので」という値段の言葉には意味がないんです。
だから、その言葉に反論しにいかなくていいんです。
営業先で入るなり「一番安いやつ」と言われたら、何から話すか
僕の経験だと、関西ではお部屋に入るなり「一番安いやつ」と言われることがよくあります。
畳の仕事で伺ったときも、まずこの一言です。
そのとき僕は、「分かりました、分かりました」と受けます。
そして、こう続けます。
「今このお部屋でお呼びいただいてるわけですけど、何かお困りのことでもおありでしょうか」
値段の言葉には、まったく反応しないで、そのまま話を進めるんです。
聞き流しているのは値段の言葉だけで、お客様のお話はここから全部聞いていきます。
たとえば、こんなふうに聞いていきます。
「こちらのお部屋は、どのようにお使いですか」
「ご家族何人でお使いですか」
「お客様が来られたとき、どのお部屋にお通しになりますか」
こうやって、どんどん聞いていくんです。
価格交渉の断り方を考えるほど、商談が難しくなるのはなぜか
これは値段を聞いて、考えて、論破しようとするから難しくなるんです。
「一番安いの」への返し方で頭がいっぱいになると、お客様の要望を聞く前に、話が値段のやり取りで埋まってしまいます。
逆に、要望をちゃんと聞いていくと、値段はゴロッと変わります。
選ぶ商品そのものが変わるからです。
お客様ご自身も、最初は一番安いやつでいいと思いながら話しておられます。
それが、こちらの質問に答えてお部屋の使い方やご家族のことを話しているうちに、自分に必要な商品は最安値じゃないなと気付かれるんです。
そこまで聞けたら、あとは「あなたが買うべき商品はこれ」と示せばいいだけです。
足腰が弱いご家族がいるなら、これ。
ペットがいるなら、これ。
高いものはいらないとおっしゃるなら、これ。
極端に言えば、多少外れていても、聞いた欲しいものに合わせて「ぴったりのがありますよ」と出せばいいんです。
欲しいものが分かっていれば、最初の「一番安いの」に返す言葉を用意しておく必要はありません。
あまり喋らないお客様のときは、どうすればいいか
中には、こちらが聞いてもあまり喋らないお客様もいらっしゃいます。
「ええ」「まあ」くらいしか返ってこない。
ほかのお客様ならもっと話してくださるのに、と間が悪く感じてしまうかもしれません。
でも、間が悪いと思わなくていいんです。
その方のペースは、そのくらいなんです。
少し時間をあけて、ぽつぽつと話してくだされば、それでいいんです。
その方のペースに合わせてあげてください。
次に「一番安いので」と言われたら、返し方を探す前に、「分かりました」と受けて、そのお部屋のことを一つ聞いてみてください。
