業界の構造
ある業界にいた時の話です。
その業界では、大手コンサルティング会社とメーカーが手を組んで、下請けの事業者に高額な機械を導入させるビジネスモデルが横行していました。
仕組みはこうです。メーカーが最新の設備を売り込みます。コンサルが「この設備を入れれば売上が上がる」と後押しします。事業者は数百万、時には数千万の借金を背負って機械を買います。そしてその借金を返すために地獄のように働かされます。
仕事がない客には仕事を紹介もします。しかし利益が全く出ない、夜中まで追い回されるだけの仕事です。借金返済のために年老いたお父さんまで現場に出され、家族ごと消耗していくものでした。
何が起きたか
過労死する人が出ました。自分で命を絶つ人も出ました。
それなのに、メーカー側の人間がその話を笑い話にしていたのを、私は直接見ています。
人が死んでいるのに、笑っています。
その場での感情
その場で怒りが湧いたかというと、そうではありませんでした。
笑い物にする雰囲気にショックを受けました。と同時に、怒りというより現実と思えなかったというのが正直なところです。呆れてものが言えませんでした。
呆然としていた、というのが正確な表現です。
呆然から怒りへ
呆然が怒りに変わったのは、その場ではなく後になってからです。
他の人からも似たような事例を又聞きしました。自分が聞いたのは偶然ではないと悟りました。業界の構造として、これが起きている。そう認識した時に、怒りに変わりました。
原点の言葉
「売り上げを上げる経営コンサルが、人を不幸にしてどうするんだ」
これが私の全活動の原点にある言葉です。
売上を上げることは難しくありません。人を死ぬほど働かせればいいんです。でもそれは経営改善ではありません。搾取です。
コンサルが入って、会社の売上は上がりました。でも社員が家庭を壊し、社長は孤立し、取引先は疲弊しています。そういう「成功事例」を何度も見てきました。
RMMSの原則との接続
売り上げを上げるために人が壊れていく。そんな経営支援が、この国にはまだ山ほどあります。
だからRMMSは「労働時間を減らしながら売り上げを伸ばす」ことにこだわっています。
売り上げ2倍もしくは粗利の3割アップをノルマとしながら、社員さんの残業時間ゼロを達成します。社長にも、ご家族のための時間を作っていただきます。
理想論に聞こえるかもしれません。でもこれは理想ではなく、絶対に外してはいけない前提条件です。関わる人を不幸にしない——ここを出発点にして方法論を全部組み立てています。売上が上がっても、関わる人が不幸になったら意味がありません。
この話を読んでいるあなたへ
コンサルタントや経営スクールを探しているなら、一つだけ聞いてほしいことがあります。
「売上が上がります」だけを約束する人を、鵜呑みにしないでください。
売上を上げることだけなら、方法はいくらでもあります。人を死ぬほど働かせてもいいなら、難しくありません。でも問うべきは、売上が上がった後に誰が幸せになっているか、です。
売り上げを上げるために人が壊れていく経営支援は、今もこの国に山ほどあります。私がこの業界に入ったのは、そこへの怒りがあるからです。そしてその怒りは、今も変わっていません。