「キャッチコピーがなかなか決まらない」。販促物を作っていて、そんな壁にぶつかったことはないでしょうか。
何度も書き直しているうちに、気づけば締め切りが迫ってくる。文章の腕が足りないのかもしれない、そう思い込んでしまいがちです。ですが、原因はコピーの上手い下手ではなく、もっと手前にあることが多いんです。書き出す前に決めておくべきことが、まだ決まっていないだけなんです。
以前の問題解決ワークでも、ある社長さんから、まさにこの相談がありました。今日は、その場で私が整理した内容を、開催レポートとして紹介します。
「ここまで書いて、特典は何ですか」という相談
相談の内容はこうでした。ある社長さんが、地域のあるイベント企画の観覧席を、お客様への特典に使えないか、と考えていました。手元で用意できる枠は4〜5セット。ペアでご招待するとしても、8組ほどが精一杯です。

すでに文章の案もいくつか浮かんでいて、あとはキャッチコピーをどう仕上げるか、という段階まで来ていました。ですが、この案を聞いて、私がまず確認したのは、特典の中身でも文章の出来でもありませんでした。規模感です。
規模感を先に整理する ― 8組と20組の差
「8組だと、企画としては弱いですね。20組くらいあれば、できるんですけど」。これが私の答えでした。数セットの枠を、そのまま特典として付け足しても、企画としてはパンチが出ません。20組規模まで広げて、はじめて成立する。これが率直な感触でした。
特典の中身を決める前に、まず「その規模で企画として成立するか」を見る。感覚で決める前に、前提を確認する作業が要るんです。数がそろわないまま文章だけを練っても、企画そのものの弱さは文章では埋まりません。ここを先に見極めておくと、あとの判断がぶれなくなります。
特典を決めてから、文章を書く
そしてもう一つ、私が繰り返し伝えているのは順番の話です。「特典を決めてから文章を書かないとダメですよ。ここまで書いて、特典は何ですか、というのが、実際はよくあるんです」。私の実感では、これがいちばん多いつまずきです。
キャッチコピーが決まらない、文章が続かない。そう感じているとき、実は特典そのものが決まっていないことがよくあります。文章は、特典が決まって初めて、書くべき中身が定まるものです。順番を間違えると、どれだけ推敲しても、コピーは決まりません。先に文章から手をつけると、書いては直し、直しては書き直し、という堂々巡りに陥りやすいんです。まず特典を固めてしまえば、文章は驚くほどすんなり書けるようになります。

特典・文章・時期。この三つには、決める順番があります。お客様に何を渡すか(特典)を決め、それを伝える文章を書き、間に合う時期に合わせて企画を組み立てる。この順番を守るだけで、迷う時間はぐっと減ります。逆の順番で進めると、途中で特典が変わるたびに文章を書き直すことになり、二度手間、三度手間になってしまいます。
時期が合わなければ、企画そのものを入れ替える
この相談には、もう一つの見極めがありました。時期の問題です。
もともと狙っていた時期の対策は、相談があった時点で、すでに間に合わない状態でした。急いで形にしても、仕上がる前に本番を迎えてしまいます。私が伝えたのは、「その時期の対策は今からでは間に合わない。次の月に売りたいものがあるなら、次の月の企画にすればいい」ということでした。無理に元の企画を仕上げようとするより、時期に合わせて企画そのものを組み替えたほうが早いんです。
間に合わない企画を、無理に間に合わせようとする。これも、順番を間違えたときによく起きることです。特典・文章と同じで、時期もまた、企画を組み立てる前に確認しておくべき前提なんです。
おわりに
「特典は文章より先に決める」。書き出す前に、自分に問いかけてほしい一言です。もしキャッチコピーがなかなか決まらないなら、それはコピーの腕の問題ではなく、特典が決まっていないサインかもしれません。
自社の販促物、今動いている企画は、特典・文章・時期の順番になっているでしょうか。一度立ち止まって、確認してみてください。順番さえ揃えば、コピーで悩む時間は、驚くほど短くなります。
一人で判断が難しいときは、問題解決ワークのように、他の社長さんの視点を交えて整理するのも手です。よろしければ一度、あなたの販促企画を、一緒に整理させてください。
