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番頭時代の実体験——仕組みで人を動かす原点

番頭時代の実体験——仕組みで人を動かす原点
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番頭の仕事

4代目として畳店に入社しても、いきなり社長になったわけではありません。父親が社長で、自分はナンバーツー。番頭です。

朝8時から夜中の3時、4時まで。年間5000時間の残業です。それだけ働いても売上は横ばいで、収入も少なかった。年収が200万しかなかった時期、奥さんはスーパーで菓子パンを買いたかったけど散々迷って、節約のために食パンを涙ながらに選びました。子供はまだ小さかったんです。その上に親子の対立もある。正直、私の苦労を見てられなかったと思います。

番頭の仕事は華やかな表舞台ではありません。管理、クオリティチェック、請求漏れの確認、報告の徹底。地味で、誰も褒めてくれない仕事の積み重ねです。

反社への取り立て

納品したのに代金を払ってもらえない。相手は反社会的な人。普通なら泣き寝入りする場面で、取り立てに行かされました。

番頭だからこそ回ってくる仕事です。社長は行かない。外注先も行かない。会社の中で「こういう面倒ごとは番頭がやるもの」という空気がありました。

禁煙休憩所事件

禁煙休憩所でタバコを吸った若い社員がいました。

普通なら怒鳴る。始末書を書かせる。それで終わりです。でも私はこう言いました。

反省文はいらない。具体的に再発しない仕組みづくりを提案しなさい。

業務改善計画書を書かせました。個人の反省ではなく、仕組みで問題を解決する。この発想の原点がここにあります。

怒っても人は変わりません。仕組みを変えれば行動が変わる。父親との関係でも、チラシ配りでも、私が一貫して取っているアプローチの出発点がこの禁煙休憩所です。

「やっていい」がないだけ

毎月の定例業務で、同じような質問を繰り返す社員がいます。締め切りまでに完了できないことも少なくありません。

こういうケースは本人の資質のせいにしがちですが、案外、原因は別のところにあります。「その仕事に取りかかっていい」という許可が入っていないんです。やっていいかどうかの判断がつかないから動けない。

仕組みとして効くのは、毎月やるべきことをチェックリストに書き出してもらい、期限や上司への確認日を記入してもらうことです。進捗はルール通り報告する。できていてもできていなくても、現状報告するというルールにします。

そうすると本人が自信を持って作業できるようになります。後から入った社員からも「あの人は優秀ですよね」と評価されるようになりました。

ポジションが人を変える

先輩に頼りがちで、毎回質問ばかりしていた新人がいました。周りからすると「この人は成長できるんだろうか」と疑念を抱くような状態です。

ところが、一番よく質問していた上司が異動でポジションを空けることになりました。

途端に自覚が生まれたのか、仕事を前倒しでこなすようになりました。休みがちだったのが責任を持って働くようになり、発言の声色も内容もしっかりしてきました。

本人を変えようとしたわけではありません。ポジションが変わっただけで、人が変わりました。

人を変えるのではなく、仕組みを変える

禁煙休憩所の「反省文ではなく仕組みを提案しろ」。チェックリストで「やっていい許可」を仕組みにする。ポジションを変えて自覚を促す。

どれも共通しているのは、人を叱ったり説教したりして変えようとするのではなく、仕組みや環境を変えるという発想です。感情で動かそうとするから疲弊します。仕組みで動かせば、感情に振り回されません。

番頭時代に何年もかけて実感したこの原則が、今のRMMSの方法論の土台になっています。

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