僕が主宰している合宿で、講義に入る前に、参加者の方に経営上のお悩みをアンケートで伺いました。
多かったのが「時間がなかなか取れない」というお悩みです。
やりたいことはある。
やるべきことも分かっている。
でも時間が無くて手が付けられない。
経営者なら誰でも一度は口にしたことがあると思います。
講義の途中で、僕はその話に戻りました。
「時間が厳しい、なかなか無くてっていうお悩みが多いってお話ししたと思うんですけど」
そう前置きしてから、みなさんにこう問いかけています。
「忙しいとか時間がないとかっていうバリアを張る人って、結構いません?周りに」

たぶん、読んでいるあなたの周りにもいらっしゃいますよね。
何か頼もうとすると、先に「今ちょっと忙しくて」が返ってくる方。
僕の見立てでは、そういう方の仕事が進まない原因は、時間とは別のところにあります。
なぜそう思うのか。
日程とか予定を決めるときに、いつも感じていることがあるんです。
僕は人と会う日程を決めるとき、AIを入れて、全員に同じ言い方でお願いしています。
「ご都合のよい曜日や時間帯を5種類ほどお伝え願います」
相手が誰であっても、この頼み方を変えません。
で、並べてみると、はっきり分かれます。
予定が空いているはずの人ほど、候補が2つぐらいしか出てきません。
「この日ダメで」と、出せない理由のほうが先に返ってきます。
一方で、仕事がどんどん進んでいる人は、5つちゃんと出してくださいます。
しかも迷わず、スパッと出してくるんです。
予定で言えば、こちらの方のほうがずっと詰まっているはずなんですけどね。
不思議ですよね。
予定がぎっしりの人が候補をたくさん出せて、予定が空いている人のほうが出せない。
普通に考えたら逆になりそうなものです。
それが日程を決めるたびに、いつもこうなるんです。
「忙しい」という言葉をよく出す人は、やっぱり見えている現実が違うんだと思います。
予定はすかすかなのに、目の前のことをこなす力に、どこか恐れがあるのかもしれません。
ここは僕の推し量りなので、本当のところはご本人にしか分かりません。
ただ、候補を5つ出すということは、そのどれに決まっても会いますよ、と引き受けることです。
引き受けた予定をちゃんとこなせるか不安だと、出す前に候補を絞りたくなる。
そう考えると、2つしか出てこない理由も分かる気がします。
「時間がない」という言葉は、予定の量を報告しているようでいて、その人が扱える余裕の量を表しているんですよね。
だから時間をいくら空けても、扱える余裕が同じなら、また同じ言葉が出てきてしまいます。
こう書くと、ちょっとドキッとされた方もいると思います。
「自分も言ってるかも」と。
安心してください。
講義の場でも言ったんですが、これは全員に多かれ少なかれあるんです。
僕にもあるし、みんなにあります。
だからこの頼み方を、相手を見分けるためだけに使ってほしくないんです。
いちばん役に立つのは、自分が頼まれた側に回ったときです。
「候補を5つください」と言われて、すぐに5つ出せるかどうか。
出せずに手が止まったら、そのとき候補を絞っているのは、予定の量ではなく自分の中の何かなのかもしれません。
そこに気づけたら、進まなかった仕事に手を付けるきっかけになります。
次に日程を決めるときは、相手によって言い方を変えずに、全員に同じ頼み方で候補を5つお願いしてみてください。
そして自分が頼まれたときは、何個出せるかをこっそり数えてみてください。
ぜひ一度お試しを!
